坐骨神経痛はセルフケアだけで対処できる?

2017/8/28 記事改定日: 2019/4/24
記事改定回数:2回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

二宮 英樹 先生

記事監修医師

東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

お尻から太もも、膝などへと広がるビリビリとした痛み、しびれなどがあったら、坐骨神経痛の可能性があります。坐骨神経痛とはどんな病気なのでしょうか? 原因はなんでしょうか? この記事では、坐骨神経痛の原因や対処法についてまとめました。

坐骨神経痛とは

坐骨神経痛とは臀部から太もも(ときには足先まで)の坐骨神経領域に、痛みや痺れが起こる症状のことです。何らかの原因により坐骨神経が損傷、あるいは炎症を起こすことで発症すると考えられています。
発症要因の代表的なものとして椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが挙げられます。

主な症状

坐骨神経は体の神経の中で一番長い神経であり、腰の下部から始まり、お尻の下から脚の裏側を通って、くるぶしと足に伸びています。

坐骨神経痛は、片側のお尻や太ももに鋭く、突き刺すような痛みやピリピリとした痛み、痺れ、麻痺などの症状が現れ、ときには足に力が入らなくなることもあります。
痛みには個人差があり、部分的に現れる場合もあれば、脚全体に現れることも場合もあります。

一般的には数日~数週間で痛みは自然に治まっていくとされていますが、症状が長期化することも多く、治療を施しても治癒までに時間がかかるケースも少なくありません。

坐骨神経痛を引き起こす原因とは?

坐骨神経痛が起こる原因には様々なものがあり、完全に解明されたわけではありませんが、腰椎椎間板ヘルニアや変形性腰椎症、腰椎すべり症や腰部脊柱管狭窄症などが主な原因と考えられています。その他、梨状筋症候群が原因になることもります。

神経腫瘍などのように、坐骨神経そのものに障害が起こっているケースは少ないですが、全くないということではないので注意が必要です。また、脊椎や内臓(前立腺や子宮など)の癌が原因で発症することもあり、まれに妊娠で一時的に坐骨神経痛を発症する女性もいます。

坐骨神経痛のセルフケアにはどんなものがある?

市販の鎮痛剤、運動、温湿布や冷湿布などによる処置を組み合わせることによって、痛みを一時的に和らげることができる場合があります。

体を動かす

以前は、腰痛や坐骨神経痛のときには、ベッドで横になって安静にしている方が良いと考えられていましたが、今では体を動かしたほうが早い状態の回復が見込める場合があるといわれています。

ただし、状態によっては運動で悪化する場合もあるので、運動をする前に必ず医師に確認をとりましょう。また、運動をして症状が悪化した場合は、すぐに運動を中止してください。

腰の体操とストレッチ

腰からお尻、脚などの簡単な体操やストレッチで、症状が軽減する場合があります。
坐骨神経痛を起こしている原因がどこにあるかによって、推奨される体操やストレッチが違ってくるので、医師や理学療法士にアドバイスをもらいながら取り組んでください。

鎮痛薬

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は処方箋がなくても薬局で購入できるので、一時的な痛みの緩和措置として役立つでしょう。
ただし、NSAIDsは全ての人に合っているわけではありません。薬を服用すべきかは説明書をよく読み判断してください。もし不安な場合は、医師に相談しましょう。

また、NSAIDsを飲んでも痛みが治まらない、一時的に痛みが治まってもすぐに痛みが再発する、1週間以上経過しても症状に改善が見られないという場合は、必ず病院を受診してください。

温める、冷やす

熱いお風呂につかったり、湯たんぽなどであたためたりすると、腰の痛みが和らぐことがあります。
また、保冷剤を患部にあてて冷やすことでも、短期的な効果がみられるケースもあるようです。保冷剤はタオルで包んで使用するようにしましょう。

保冷剤と湯たんぽを使って、交互に温めたり冷したりすることも、症状改善に役立つ場合もあります。

そのほかの方法

ほかにも、次に挙げた方法で坐骨神経痛の痛みが和らぐことがあります。

  • 痛いところに携帯用カイロをあてる
  • 痛みが出ない、もしくは痛みが少なくなるような、楽な姿勢で過ごすようにする
  • 痛みのないほうを下にして寝る
  • 寝てみて楽になるようであれば、就寝時に固めのマットレスを使う
  • 脚の間に枕をはさむ(骨盤を良い位置に保ち、坐骨神経が圧迫されるのを防ぐことができる場合があるといわれている)
  • 水泳をする(浮力で脊椎への負担を減らしながら、運動ができる)

坐骨神経痛はセルフケアだけで対処できる?

坐骨神経痛は非常に強い痛みを引き起こし、セルフケアだけでは十分に対処できないケースが多々あります。また、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など坐骨神経痛の発症原因によっては神経麻痺が生じて歩行困難な状態になったり、膀胱直腸障害などの重篤な合併症が生じることもあります。

このため、坐骨神経痛と思われる症状が見られる場合にはセルフケアだけで対処しようとせず、まずは病院を受診してどのような原因か調べ、適切な治療を受けるようにしましょう。

おわりに:坐骨神経に沿った痛みがあるときは、まず病院で診てもらおう

痛みが長期化している場合や痛みがひどく日常生活に支障が出る場合、何度も同じ場所に痛みが現れたり、痛みの範囲が広がっている場合は、すぐに整形外科を受診しましょう。坐骨神経痛が起こっている原因を究明し、腰や足に負荷をかけない運動や、生活の中で痛みを和らげるためのアドバイスをしてくれるでしょう。

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