記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/10
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「りんご病」という病気をご存知ですか?保育園や幼稚園に通う年齢の子供や、小学校低学年の子供がかかることの多い感染症の一種です。ここでは、りんご病の症状や予防法などをお伝えしていきます。保護者の方はぜひご一読ください。
りんご病(伝染性紅斑)は、ヒトパルボウイルスB19によって引き起こされる発疹性疾患です。頬に出現する平手で打たれたような赤い発疹を特徴とし、両頬がりんごのように赤くなることからこの名前がつけられました(ほっぺ病と呼ばれることもあります)。
感染者の多くは0~9歳の乳幼児や子供ですが、年齢問わず大人でも罹患することがあります。
およそ4~15日の潜伏期間の後、微熱や頭痛、鼻水のような風邪の症状がまず現れます。それから6~11日が経過すると、顔(特に両頬)にはっきりとした赤い発疹が現れ始め、続いて手や足にも網目状の発疹がみられるようになります(お腹や胸、背中に発疹が現れる人もいます)。多くの場合、これらの発疹は1週間前後で消えていきますが、長引いたり、一度消えた発疹が再発したりすることもあります。
大人の場合、関節痛や頭痛、手首や膝の腫れなどの症状を訴える人が多いです。そして発疹が現れないというケースも少なくありません。このため風疹と診断されてしまうこともあります。
りんご病自体を治療する方法やワクチンなどは現在確立されておらず、対症療法のみを行うのが一般的です。ただ、りんご病は罹患しても合併症を起こすことなく自然に回復するケースがほとんどです。
頬に発疹が現れた頃にはすでに感染力はほぼないため、二次感染予防をする必要はありません。ただ、感染のリスクを減らすためには日頃から衛生状態を良くすることが大切です。りんご病は咳などの飛沫感染や接触感染により罹患するので、こまめに手を洗い、家族と食器を共有しないようにしましょう。特に妊婦さんが感染すると、まれに流産や胎児水腫という病気を引き起こすことがあるので一層の注意が必要です。
先述のとおり、りんご病は発疹が出た頃にはすでに感染力はほぼ消失しています。そのため、保育所における感染症対策ガイドライン(2012年改訂版)では、全身状態がよければ登園してもかまわないという規定になっています。幼稚園や学校でも同様と考えられますが、必ず病院を受診し、医師から感染の恐れがないと認められるまでの間の登園・登校は控えるようにしてください。
りんご病は基本的に自然治癒する病気ではありますが、お子さんに赤い発疹や風邪のような症状が見られた場合は、念のため病院につれていきましょう。登園や登校時期についても、そこで確認することをおすすめします。
【出典: 下記ホームページを編集して作成】
・厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou16/pdf/01g.pdf、http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-21.html、http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/hoiku02.pdf)
・国立感染症研究所「伝染性紅斑とは」(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/443-5th-disease.html)