記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/1/31
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
速く走りたいランナーにとって、インターバルトレーニングは重要です。しかし、からだへの負荷が大きく、オーバーワークや故障につながりやすくなるのも事実です。
インターバルトレーニングは、速いスピードとリカバリーと呼ばれるゆっくりしたペースを交互に行います。その結果、自分の限界を知ることができ、普段のペースがどのくらいの力で走っているのかがわかるようになります。
また、速く走ることとゆっくり走ることは走り方にもちがいがあり、普段使われていない筋肉も刺激されることから「脚力の強化」にもつながります。
スピードアップするためには最も効果的なトレーニングの1つです。速く走れるようになることは段階的な過程ですが、適度なペースで行う普段のランニングがいつもより楽に感じられるようになるでしょう。
インターバルトレーニングの目的は、心肺機能を高めることで疲れにくいからだをつくることです。長期的な健康上の利点は、有酸素運動と似ており、心臓病、糖尿病、脳卒中、癌などの多くの慢性疾患のリスクを低下させます。
インターバルトレーニングでは、リカバリーがとても重要となります。低負荷と高負荷を繰り返すパターンのトレーニングでは、速く走っている間にすばやく回復できるようにからだを鍛え、時間の経過とともに徐々に長く、速く、走る能力を高めていきます。
からだが激しい疲労から回復するのに必要なエネルギーを生成するために、高負荷の部分ではエネルギーとして炭水化物を、リカバリーの部分では脂肪を燃焼します。この過程はトレーニング後何時間も続くので、健康的な食生活をしている限り体重を減らす効果があります。
インターバルトレーニングは、長時間の中強度の有酸素運動と同じくらいの効果があります。週3回、20分間のインターバルトレーニングは、2週間で10時間一定の運動をしたのと同じ効果をもたらすことがわかっています。
インターバルトレーニングは、毎日行うべきではありません。インターバルトレーニングはきつく、からだを回復させるまでに時間がかかります。
からだが回復していないと、やる気が出ず、疲れを感じ、けがをする可能性が高くなります。
週3回のランニングをしているなら、3回のうち1回をインターバルトレーニングに変えてもいいでしょう。
インターバルトレーニングでは全身(特に心臓、肺、筋肉)に負荷がかかります。体調がすぐれないときや、しばらく運動していないときは行わないようにしましょう。
持病のある方は、インターバルトレーニングを始める前に医師に相談してみるといいでしょう。あらゆる種類の高負荷のトレーニングは、有酸素運動全般が行えるだけのレベルがあることが前提となります。
インターバルトレーニングは、速いスピードで走るので過酷なトレーニングと思われていますが、インターバルトレーニングはスピードトレーニングではありません。
オーバートレーニングは、ケガや故障の原因となります。ランニングに限らず、どんなものにも「リカバリー」は大事です。