記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/24 記事改定日: 2019/2/5
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
特に女性の場合、年齢を重ねるごとに発症率が高まる病気のひとつに「骨粗鬆症」があります。若い頃は骨が丈夫だった人が、なぜ骨粗鬆症になってしまうのでしょうか?原因と対処法をお伝えしていきます。
骨粗鬆症とは、骨の代謝回転のバランスが崩れて骨がもろくなった状態のことです。
原因としては、骨を形成するカルシウムやマグネシウムの不足や、カルシウムの吸収に必要なビタミンDなどのビタミンがバランスよくとれていないことがあげられます。
また、骨に一定以上の負荷をかかからないと骨形成におけるカルシウムの利用効率が悪くなるため、運動不足も骨粗鬆症の要因となります。
骨粗鬆症は高齢女性の発症リスクが高い病気としても知られていますが、これは閉経後、骨芽細胞を活発にする女性ホルモンである「エストロゲン」が激減するためです。
また、同様のメカニズムで、卵巣の除去手術を行った女性も骨粗鬆症になりやすくなります。
男女問わず、成人は20代中頃で総骨量がピークに達した後、減少しはじめます。
つまり、男性も加齢とともに骨粗鬆症を発症するリスクが高まっていくので、性別に関わらず発症する可能性があるのです。
また、カルシウムやビタミンD不足の食生活を送っている人や喫煙習慣がある人は発症リスクが高まるので男性でも要注意です。
骨粗鬆症の治療は、薬物治療(女性ホルモン製剤、骨の代謝を助けるビタミンD製剤の処方)と生活習慣の改善(栄養バランスの改善、定期的な運動など)の2方向から行っていくのが一般的です。
日常的にできる対策としては、カルシウムを多めに摂取することです。
アレルギーがないなら、牛乳を1日コップ1杯(約200ml程度)目安に飲むことをおすすめします。
乳製品が苦手な人やアレルギーがある人は、骨ごと食べられる小魚(しらす干し・さくらえびなど)もカルシウムが豊富に含まれているので、積極的に食べるようにしましょう。
なお、摂取されたカルシウムが効率よく吸収されるには、ビタミンDやマグネシウム・リン・たんぱく質なども必要です。1日3回規則正しく、バランスのとれた食事と牛乳・乳製品を摂取することを心がけましょう。
食生活の改善のほか、骨密度を高めるためにウォーキングなどの運動をすることも非常に重要です。また、喫煙習慣がある人は禁煙しましょう。
タバコは骨密度低下の要因のひとつといわれています。
加齢や閉経に伴って減少するエストロゲンを補うために、以下のような対策を行いましょう。
骨粗鬆症を改善させるためには、投薬治療だけでなくライフスタイルの見直しも欠かせません。栄養の偏った食生活や運動不足は、骨粗鬆症を悪化させる原因となり得るものです。
日頃から食事内容や運動量に注意し、骨粗鬆症を根本的に治療していきましょう。