記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/3/8
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
クラミジアトラコマティスを原因菌とする性感染症(STI)である性器クラミジア感染症は、無防備な性交によって人から人に感染し、特に性的に活発な10代や25歳未満の若い男女によくみられます。
性器クラミジア感染症は、はじめは何の症状も感じません。次のような症状があらわれるときは、医師の診察を受けてください。
・排尿時の痛み
・腟(ちつ)、陰茎または直腸からの異常な分泌物の排出
・女性では腹部の痛み、性交中または性交後の出血、および不正出血
・男性では睾丸(こうがん)の痛みや腫れ
性器クラミジア感染症は細菌感染症です。細菌は、性交または感染した精液や腟液との接触によって広がり、次のようなことで感染します。
・安全でない腟、肛門またはオーラルセックスを行うこと
・洗浄されていない、もしくは使うたびに新しいコンドームで覆われていないアダルトグッズを共有すること
・自分の性器がパートナーの性器と接触すること(たとえ挿入、オルガスムまたは射精がなくても感染する可能性があります)
・感染した精液または腟液が目に入る
性器クラミジア感染症は短期間の抗生物質投与で治療することができますが、早期に治療しなければ重症化することがあり、未治療のまま放置すると感染はからだのほかの部分に広がり、骨盤内炎症性疾患(PID)、精巣上体炎(睾丸の炎症)、不妊症などの要因となり、反応性関節炎(ライター症候群)を併発することもあります。
性器クラミジア感染症かもしれないと思ったら、できるだけ早く検査を受け治療を受けることが重要です。
女性は婦人科、男性は泌尿器科で受けられます。皮膚科や内科でもSTIにかかっているかもしれないといえば検査してくれます。検査は、尿検査または綿棒検査で行われます。
また、市販のクラミジア検査キットで自宅で検査することもできますが、これらの検査の精度はさまざまです。検査キットを使用するときは、薬剤師または医師に相談してアドバイスを受けてください。
性器クラミジア感染症は、抗生物質で簡単に治療できます。治療が終わるまでは性交しないでください。 治療後は1週間は性交を避けるべきです。
性的パートナー(過去6カ月間を含めて)も感染の拡大を防ぐために検査し、治療することが重要です。
だれにでも感染する可能性があります。 新しい性的パートナーや、コンドームなどの避妊具を使用しない場合は、よりリスクが高まります。
以下ののようにすれば、クラミジアの拡大を防ぐことができます。
・腟やアナルセックスをするときにいつでもコンドームを使用する
・オーラルセックス中に陰茎を覆うためにコンドームを使用する
・オーラルセックス中に女性の生殖器を覆うか、または女性の生殖器を一緒に擦るときにダム(薄い、柔らかいプラスチックまたはラテックスの小片)を使用する
・アダルトグッズを共有しない(共有する場合は洗浄するか、使用する人ごとに新しいコンドームで覆ってください)
性器クラミジア感染症は、キスや抱擁、お風呂、タオル、プール、便座、食器などの共有などでは感染しませんが、妊娠中の女性では胎児に感染させることがあります。性器クラミジア感染症かもしれないと思ったら、できるだけ早く検査を受け治療を受けることが重要です。