ストレスで免疫力が下がってしまうのはなぜ?

2017/8/29 記事改定日: 2019/5/13
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ウイルスや病気などから体を守ってくれる免疫力は、ストレスで機能が低下してしまいます。
この記事では、ストレスで免疫力が下がってしまう仕組みとストレスとのつきあいかたについて解説していきます。

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免疫力がストレスで低下してしまう原因とは?

免疫力は人に本来備わっている防御システムです。
ストレスが過剰になると体内で「自律神経の乱れ」と「コルチゾールの過剰分泌」が起き、免疫力が低下すると考えられています。

自律神経の乱れ

強いストレスによって自律神経のバランスが崩れると、内臓機能を司る“副交感神経”の働きが弱くなり、食欲不振や血行不良が起こり、免疫機能の中心的な役割を果たすリンパ球が正常に機能できなくなってしまいます。

コルチゾールの過剰分泌

コルチゾールは副腎皮質から分泌されるホルモンで、ストレスを感じると量が増えるため、「ストレスホルモン」とも呼ばれています。

コルチゾールは特に抗炎症効果があるためステロイド系抗炎症薬として治療にも使われるなど人にとって不可欠な成分です。
しかし、分泌量が慢性的に高くなると、うつ病、不眠症などの精神疾患や生活習慣病などが発症する可能性が高くなります。

免疫力が下がるとどうなる・・・?

免疫力が低下すると体は抵抗力を失ってしまうため、病気にかかりやすくなります。
また、ある症状からの回復に通常よりも時間を要する可能性があります。
以下に挙げるのは免疫力が下がっているときに現われる代表的なサインです。

  • 疲れやすくなる、疲れが取れない
  • 風邪、ウイルス感染にかかりやすくなる
  • 発癌リスクが高まる
  • 肌あれ、口内炎、ヘルペスなどの皮膚トラブルが起きやすくなる

ストレスに強い体を作るにはどうすればいい?

免疫力を保つためにはストレスを避けることが重要です。ストレスは様々な心身の変調をきたしますが、免疫力を下げる作用のあるステロイドホルモンの産生を促すため、結果として免疫力が低下しがちになるのです。

現代社会で生活を送る上で、ストレスを完全に排除することは現実的ではありませんが、熱中できる趣味を見つけるなど自身に合ったストレス解消法を身につけ、十分な休息・睡眠を確保するなどストレスがたまりにくい生活を心がけるようにしましょう。

おわりに:ストレスとうまくつきあいながら、免疫力を保っていこう

免疫力の低下を防ぐには食事・睡眠・運動・腸内環境など生活習慣の改善にコツコツ取り組むことと同じくらいストレス対策が重要です。
不規則になりがちなライフスタイルを改善し、ストレスに強い体作りを心がけ、免疫力を高めていきましょう。

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