記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
2026/3/25
記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
アレルギー性結膜炎とはアレルギー反応で起こる結膜炎であり、花粉などによる季節性アレルギー性結膜炎であれば、アレルゲンのシーズンを過ぎると症状が落ち着きます。しかし、通年性アレルギー性結膜炎の場合は対策をしなければ何度も症状を繰り返すことがありますし、季節性アレルギー性結膜炎でも重症化すると強い症状に悩まされる場合があります。この記事では、アレルギー性結膜炎のおもな症状と重症化したときの症状、治療で使われる目薬について解説していきます。
アレルギー性結膜炎とは、アレルギー反応によって引き起こされる結膜炎のことです。目のかゆみ・充血・目やに・涙目・目の異物感などの症状が現れ、鼻水・くしゃみなどのアレルギー性鼻炎の症状が併発することもあります。アレルギー性結膜炎が重症化すると、春季カタルや巨大乳頭結膜炎を発症する可能性があります。
春季カタルは男児に多く発症するアレルギー性眼疾患であり、アトピー性皮膚炎の小児にとくに多くみられる傾向があります。上まぶたの裏側に小さな白いブツブツができ、重症化すると大きなでこぼこのある皮疹を形成します。これは石垣上巨大乳頭といい、凹凸が大きく、角膜を傷つけることもあります。目に強いかゆみ・痛み・充血・多量の目ヤニが現れ、目を開けることが難しくなることもあります。一年を通して発症する可能性がありますが春にとくに多くみられることから、春季カタルと呼ばれています。
巨大乳頭結膜炎とは、目に生じる重度のアレルギー性病変です。上まぶたの裏側に白いブツブツしたできものがたくさんでき、進行すると、でこぼこのある大きな塊のような皮疹を形成します。コンタクトの適切な洗浄が行われていない場合や使用期限を大幅に過ぎたコンタクトレンズを使用している場合など、コンタクトレンズが原因で起こることが多いアレルギーです。まぶたの裏にできた細かい皮疹に細菌感染が起こることが原因とされており、強い充血と痛みを伴い、放置すると角膜が傷つけられ、失明に至ることもあります。
一般的に、アレルギー性結膜炎の治療は抗アレルギー薬、あるいは、ステロイド薬の点眼薬(目薬)の処方により治療が進められます。処方されるおもな薬として、以下が挙げられます。
アレルギーの諸症状は、アレルゲンが体内に入り込むと肥満細胞(免疫細胞の一種)からヒスタミンやロイコトリエンと呼ばれる物質が放出されることで引き起こされます。このヒスタミンやロイコトリエンはメディエーターといい、メディエーター遊離抑制薬には、これらの物質が放出されるのを抑制する作用があります。
ヒスタミンH1受容体拮抗薬にはヒスタミンとH1受容体の結合をブロックする作用があり、この作用によりヒスタミンの作用を抑制することでアレルギー症状の緩和を目指します。副作用として強い眠気が起こる可能性がありますが、最近は眠気が起こりにくいものもあり、生活スタイルなどで選択することができます。
ステロイドは副腎皮質から分泌されるホルモンであり、一般的なアレルギー疾患に広く用いられています。免疫の働きを抑制する作用により、アレルゲンへの過剰な免疫反応であるアレルギーの諸症状の緩和を目指します。しかし、アレルギーによる免疫反応以外にも広く免疫を抑制するため、細菌感染を起こしやすくなり、アレルギーによる眼病変に細菌感染を併発している場合には使用は控えた方がよいとされています。
市販の目薬でも、抗アレルギー成分や抗ヒスタミン成分が含まれたものがあり、これらは軽度なアレルギー症状であれば症状緩和が期待できます。例えば、「アレルギー専用点眼薬」と表記されている目薬には、抗ヒスタミン成分以外にも抗炎症作用を持つ成分が含まれるものもあり、症状緩和が期待できます。ただし、市販の目薬にはキシリトールのように「目がスーッとする」成分が含まれているものがあり、目に傷ができているときやコンタクトレンズを着用しているときには痛みを感じる場合があるので注意しましょう。
また、結膜炎はアレルギー以外にも細菌感染などで起こることがあり、その場合は医師から処方される抗菌薬配合の目薬が必要になる可能性があります。基本的に、結膜炎症状が現れたときには、医療機関を受診することをおすすめします。
アレルギー性結膜炎は市販薬でも症状を緩和できる場合がありますが、結膜炎はアレルギー以外の原因で発症する可能性もあるため、目のかゆみ・充血など、アレルギー性結膜炎が疑われる症状があるときは、まずは医療機関を受診することをおすすめします。また、アレルギー性結膜炎では、アレルゲンを特定することが症状緩和につながり、通年性アレルギー性結膜炎の場合はハウスダスト・ダニ・ペットのフケや毛など、季節性アレルギー性結膜炎の場合は、スギ・ヒノキ・カモガヤ・ブタクサなどの花粉がアレルゲンになっている可能性があります。医療機関の検査でアレルゲンを特定し、アレルゲンを避ける生活を心がけることも症状緩和につながります。