記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
虫歯の治療を面倒くさがって、放置したままにしていませんか? 虫歯の放置は頭痛を引き起こす原因となる場合があります。今回の記事では、虫歯が引き起こす頭痛について解説します。
虫歯が原因で起こる頭痛の原因は以下の3種類があります。
虫歯で歯が痛むと、食べ物を食べる際に痛みのない側の歯で噛むことが多くなり、左右のバランスが乱れます。この普段と違った顎の筋肉の酷使により、首付近の筋肉が緊張することによって頭痛を引き起こします。特に虫歯の治療中に多く見られる症状です。
虫歯の進行により歯が削れ、歯が低くなると噛み合わせが悪くなります。さらに顎の間接に余計な力が入ることが原因となり、顎関節症を発症する場合があります。顎関節症は、頭痛を引き起こす原因にもなります。
虫歯を長期間放置することで菌が血液に入り込み、体内にまで広がり、脳まで到達すると、脳静脈血栓症を発症します。これは、脳の静脈が炎症を起こし、その部分が詰まってしまう病気です。脳静脈血栓症は、激しい頭痛を引き起こします。
先に述べた頭痛には以下の症状があらわれます。
虫歯による緊張型頭痛の症状として、肩こりや首のハリを感じることがあります。虫歯になってから頭痛だけでなく、首や肩のハリが現れたら、緊張型頭痛の可能性があります。
顎関節症になると、慢性的な頭痛、顎の痛みや大きく口を開けることができないなどの症状があります。また首のハリ、肩こりも起こります。
脳静脈血栓症を発症すると、脳が急速にむくみ、静脈性脳梗塞、または脳出血を引き起こします。さらに、頭痛、嘔吐、けいれん、運動障害、意識障害等の症状が現れます。「強い頭痛と吐き気」「頭を針すような痛み」があらわれたら特に危険な状態なので注意が必要です。
虫歯による頭痛を放置した場合、体に以下のような症状が起こります。
虫歯による頭痛が起こっても放置しておくと、激痛を引き起こします。これは急性化膿性歯髄炎という状態で、痛み止めもほとんど効果のない痛みです。
急性化膿性歯髄炎はいずれ神経を死滅させます。そうなると一時的に痛みは治まります。しかし、菌は根の奥まで入り込み、周辺に感染が広がり膿が溜まります。この膿は骨を溶かし、さらに広がり、やがて発熱や激痛を引き起こします。
最終的には顎の骨全体まで炎症が進み、顎骨炎を引き起こします。このまま重症化すると、致命的となる場合もあります。
虫歯を放置することで頭痛を引き起こし、最悪の場合には致命的な状態となる場合もあります。虫歯できたら、なるべく早く歯医者で治療してもらうことが重要です。