アレルギーで血液検査を受けたほうがよいのはどんなとき?

2017/8/16

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

原因不明のアレルギーに悩まされている場合、そのアレルゲンを特定することが重要です。アレルギーの原因を特定する検査のひとつに、血液検査があります。今回はアレルギーの血液検査について解説します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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アレルギー反応とは

アレルギーとは、特定の食物や物質に対する身体の反応です。 アレルギーは特に子供によく見られ、年齢が上がるにつれて、なくなるアレルギーもありますが、多くは一生続きます。成人の場合は、これまでアレルギーではなかったものに対して、アレルギーを発症することもあります。

アレルギーの症状は不快なものが多く、日々の活動に影響を及ぼします。ただし、まれに重度の反応が起こることがありますが、ほとんどのアレルギー反応は軽度であり、大部分は抑えられます。アレルギー反応は通常、アレルゲンにさらされてから数分以内に迅速に起こり、アレルギー反応には以下のような症状があります。
・くしゃみ
・鼻水や鼻づまり
・赤い目、目のかゆみ、涙目
・喘鳴や咳
・赤くかゆみを伴う発疹
・喘息や湿疹の症状の悪化
ほとんどのアレルギー反応は軽度ですが、アナフィラキシーショックと呼ばれる重篤な反応が起こった場合は緊急の治療が必要となります。

血液検査を通してわかること

アレルギーを診断するための血液検査は、皮膚プリックテストの代わりに、あるいは皮膚プリックテストと併用して行われることもあります。 採血後血液を検査し、アレルゲンに反応して免疫系によって産生された特定の抗体について解析します。

この血液検査は、特異的IgE検査と呼ばれており、正式にはRAST検査(放射性アレルゲン吸着試験)として知られています。この検査によって、アレルギー対象であることが疑われる特定のアレルゲンに対し、その人の免疫系が生成する、血液内のIgE抗体の数を測定することができます。

血液検査を実施するのはどんなとき?

もしアレルギーを有していると疑われる場合には、アレルギーに関する検査を受けましょう。血液検査は代表的なアレルギー検査であり、アレルギー体質であるかどうかだけでなく、アレルギーの可能性がある物質が何かを特定することもできます。

検査結果を見るときに気をつけること

一般的に血液検査で特定できるアレルゲンの項目は13項目です。検査の結果は、0~6の7段階のクラスに分かれており、数値が高いほどアレルギー反応を強く起こしやすいということになります。数値が高いアレルゲンに関しては、普段から避けるようにしましょう。ただし、これはあくまで「アレルゲンの可能性がある」ということを示しているに過ぎません。その物質がアレルゲンだと断定するためには、さらに詳しい問診や検査が必要になります。

おわりに:検査結果は治療の参考にするのが目的。過敏に反応しないことが大切

アレルギー反応を起こす原因がはっきりすれば、そのアレルゲンを回避することができます。アレルギー症状の原因がわからず不安なようであれば、一度血液検査を受けてみることをおすすめします。しかし、検査結果は治療の参考にするのが目的であり、過敏に反応しないことが大切です。

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