グルテンアレルギーになると、どんな症状が現れる?

2017/8/16

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

うどんやパスタなどの穀物製品を食べた後、なんとなく頭が重い、湿疹ができるといった症状が出ることはありませんか? ひょっとしたら、それはグルテンアレルギーかもしれません。悪化すると別の病気になることもあります。この機会に、グルテンアレルギーについて詳しく知っておきましょう。

グルテンアレルギーとは


まず、グルテンというのは、小麦や小麦関連の穀物製品に含まれるタンパク質のことです。パンやパスタなどは、グルテンが含まれていることによってほどよくふくらみ、粘り気や弾力などが生まれます。

グルテンアレルギーは、グルテンを一定以上摂取することによって体がアレルギー反応を起こすことです。この反応は、グルテンを摂取するとすぐに現れるため、比較的わかりやすいのが特徴です。

そもそも、パンなどの弾力性をさらに上げるため、小麦は人の手によって品種改良され、それによってグルテンの量がどんどん増えてきたという歴史があります。
このことが人に害を及ぼすグルテンアレルギーを生むことになったと言われています(ただし、推測の域をすぎません)。

また、仮にグルテンアレルギーが発症したとしても、それほど重篤になることは少なく、肌荒れ、めまい、下痢といった「少し体調が悪いのかな」と思える程度の症状となることが多いようです。そのため、手を打つことをせず、“体調不良”が長く続くことになります。

グルテンアレルギーの症状


代表的な症状は、肌荒れと、腕や背中などにできる赤い湿疹です。他には以下のような症状が出ます。

・気分にムラが出る。集中できない。イライラする
・疲れがとれにくく、だるい
・頭が重い、痛い
・膝、腰、肘など、関節に痛みが走る
・めまい
・頭痛
・下痢・便秘。消化器系のトラブル
・生理周期が乱れる

ひどくなると、気分のムラが治らなくなり、常に不安な状態になるなど、抑うつ状態と同じような症状が出ることがあります。

また、さらに悪化すると、グルテンに対する過剰な免疫反応が引き金となる自己免疫疾患である、セリアック病になる可能性があります。
セリアック病患者が適切な処置を受けず、なおかつ継続してグルテンを摂取した場合、死に至る確率が非常に高くなります。

グルテンアレルギーかどうかを知るには?


血液検査と遺伝子検査の2種類がありますが、どちらも保険の効かない自由診療となってしまいます。
しかし、遺伝子検査のほうが、多少、費用も安く、血液検査よりも正確な結果を得られるため、もし病院で検査をするなら、遺伝子検査をおすすめします。

唾液を採取して行なうやり方で、高精度の判定が可能です。

なお、病院での検査のようにはっきりと確認できる方法ではありませんが、グルテンアレルギーだったプロテニス・プレイヤーによって広まった「2週間、グルテンを含んだ食事を食べない」という方法で、グルテンアレルギーかどうかをセルフチェックすることもできます。

2週間後、明らかに体調が変わったり、頭痛や下痢などアレルギーによる症状が改善された場合は、グルテンアレルギーの可能性があるということです。

おわりに:気になる症状があれば、一度検査を受けてみよう

グルテンアレルギーによる症状は、「そのうち治るだろう」で、片付けてしまいがちなものばかりです。しかし、悪化するとセリアック病になる可能性もありますので、もし気になる症状があれば、一度検査を受けてみましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

症状(556) 検査(98) セリアック病(3) グルテンアレルギー(2)