記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/8/16
記事監修医師
前田 裕斗 先生
肥満の人が血糖値が高くなるといことは聞いたことがあるでしょう。しかし、やせているからといって、血糖値が高くならないということはありません。今回の記事で血糖値について解説します。
見た目ではやせていても、運動不足で筋肉細胞の中に脂肪が溜まっていると、インスリンへの抵抗性が増すことで血糖値が高くなることがあります。
血糖値が高くなると体には以下のような症状が現れます。
軽度の高血糖とは、大人は通常200 mg/dl~350 ml/dl、子供は200mg/dl~240mg/dlより高い場合を指します。糖尿病患者の中には、血糖値がこの範囲内にあるときには症状に気づかないことがあるかもしれません。高血糖の主な症状には以下のようなものがあります。
・頻繁に喉が渇く
・頻尿
・体重減少
・疲労
・食欲が増す
血糖値が常に高い(通常大人は350mg/dl以上、子供は240mg/dl以上)場合、中程度から重度の高血糖の症状が現れるかもしれません。その場合、以下の症状が現れます。
・視界がぼやける
・極度に喉が渇く
・意識がもうろうとする
・肌が赤く、熱を持っていて、乾く
・落ち着きがなくなる、眠くなる、起きられなくなる
体がインスリンをほとんどあるいは全く生成していない場合(1型糖尿病患者に見られるが、2型糖尿病患者に見られることもある)、以下のような症状も現れるかもしれません。
・速く、深い呼吸
・速く、弱い鼓動
・口臭が強力で、柑橘類のようなにおいがする
・食欲不振、腹部の痛み、嘔吐
・混乱したり気だるくなる(血糖値が上がり続けた場合)
・意識を失う(血糖値が非常に高い場合)
血糖値を下げるには健康な食事と適度な運動が不可欠です。以下に解説します。
薬は糖尿病の管理のために大きな役割を担っていますが、健康的な食事は健康的な血糖値を保つことに役立ちます。食欲は年齢とともに変わるかもしれませんが、食事のバランスを保ち、栄養を摂ることが大切です。以下に食事のバランスのヒントを示します。
・精製糖を避ける
・ブロッコリー、緑野菜、ニンジンなどの非デンプン性の野菜を特に多く摂る
・玄米、サツマイモなどの全粒穀物もしくはデンプン性の野菜
・肉、卵、魚などのタンパク質をでんぷん性の野菜と同じ分量摂る
・カップ1杯分のスキムミルクなどの乳製品とカップ半分の果物
日常的に軽い運動をすることは、健康の向上に大いに役立ちます。活動的であることも、体重を軽くすることに役立ちます。健康的な体重であれば、インスリンもよく働き、血糖値を下げることに繋がります。
例えば以下に挙げる運動を一日に30分、週に5日かそれ以上行う事を目標にしましょう。ウォーキングは心拍数を上げ、健康でいるのにおすすめの方法です。
・ヨガや太極拳
・庭を掘ったり植物を植えたりする
・ゴムバンドや軽い重りを使ってみる
・踊る
・スイミングや水中エアロビクスを行う
血糖値が高くなる原因は糖尿病だけではありません。副腎皮質ホルモンの副作用や、食事の偏り、運動不足などの不健康な生活習慣なども血糖値を高くする原因となります。
やせていても血糖値が上がることはあります。運動不足を感じているようであれば、少しずつ運動を始めてみましょう。少しでも血糖値に異常を感じるようであれば、症状が重くなる前に、病院で診てもらうことをおすすめします。