人間ドックって、健康診断とどんなふうに違うの?

2017/8/29

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

「人間ドックってよく聞くけど、実際にどんなことをするのかわからない」
「健康診断となにが違うの?」
・・・そんな方のために、今回の記事では人間ドックについての基礎知識をまとめました。

人間ドックとは

人間ドックは健康診断よりも検査項目の多い検診です。
20歳以上からの受診が可能で、半日で終わるものから1泊2日などの泊りがけで行う場合もあります。
検査機関や検査プランによって異なりますが、健康診断よりも詳しい検査を受けることができるため、病気を早期発見できる可能性が高いです。

全身の異常をくまなく⾒てくれるというイメージがあるかもしれませんが、検査項目は医療施設やプランによって変わります。
どんな病気を検査したいのか、どこまで精密に検査したいかを事前に確認すると良いでしょう。

人間ドックと健康診断との違いは?

人間ドックと健康診断の最も大きな違いは、検査後のアフターフォローの有無です。
一般的な健診は検査結果が後日送付されることが多いですが、認定施設で人間ドックを受けると当日に医師からの説明や専門指導員によるアドバイスを受けることができます。

加えて精密検査が必要な場合は受診勧奨をしてくれるなど、受診後のケア体勢がしっかり整っているので、健康管理を続けやすいところが特徴です。

費用面の違いについて

ほとんどの人間ドックは健康診断より費用がかかります。
無料で受診させてくれる企業や健康保険組合もありますが、多くの場合は費用の一部負担もしくは全額自己負担での受診です。
一般的に健康診断の費用は1万円程度ですが、人間ドックは4万円前後の受診費用がかかります。
費用は検査項目によっても幅があるので、申し込み前に必ず確認しましょう。

人間ドックではどんな検査をする?

一般的な検査項目には以下のようなものがあります。

・身体計測、血圧検査、心電図検査
・視力検査、聴力検査、呼吸機能検査
・胸部X線検査、上部消化管X線検査、上部消化管内視鏡検査、腹部超音波検査、CT検査
・血液検査、尿検査、便検査
・内科診察

また、上記の他にも前立腺検査、肝炎検査、婦人科検診などの項目もあります。

人間ドックの検査前日には飲食制限などの指示があることがほとんどです。
医師の指示には必ず従って当日の検査に臨みましょう。

人間ドックを受けたほうがよい人は?

20歳以上であれば人間ドックを受けることができますが、一般的に35歳以上の人に受診が推奨されています。

「最近急に体重が増えた」
「家族に糖尿病、癌になった人がいる」
「健康診断で問題があった経過観測を定期的に行いたい」
35歳以上で上記項目に当てはまる場合は、人間ドックで体の状態をチェックすると良いでしょう。

また、年齢や性別によって検査をしたほうが良い箇所は異なります。
自分の健康状態や目的に沿った検査プランを選べているかどうかを確認しましょう。

おわりに:健康状態が気になったら、受診を検討してみよう

人間ドックではより多くの器官を対象とした精密検査を行うので、病気の早期発見・早期治療につながりやすいと言えます。
また、検査後のフォロー体勢が手厚いので病気発見後の治療や健康の改善をすぐに行いやすいというメリットも魅力です。
健康状態が気になる場合は受診を考えてみてはいかがでしょうか?

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