記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/9/19 記事改定日: 2017/9/28
記事改定回数:1回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
定期検診などで、子宮にポリープが見つかることはよく聞きますね。小さなポリープは、その場で切除してしまうこともあるようです。
でも、ポリープって何なのでしょう?
この記事では子宮内膜ポリープと妊娠の関係をお伝えします。
内臓や子宮の粘膜から隆起したいぼ状のものが「ポリープ」です。組織学的には、腫瘍性のものと非腫瘍性のものとがあります。子宮の内膜にできたものが子宮内膜ポリープであり、大きさは2cm以下のものが多く、内視鏡で検査と切除ができます。
子宮内膜ポリープは、子宮内膜から子宮の内側に向かって、「いぼ」や「きのこ」のように突き出ています。大きさは1cmよりも小さいサイズが多いですが、2cm以上の大きさになることもあり、1つだけのこともあれば複数できることもあります。
症状がないことが多いのですが、不正出血・月経過多などの症状が現れることもあります。外からの見た目ではわからないため、超音波検査などを行ったときにたまたま見つかることが多いです。
受精卵がせっかく子宮内膜にたどり着いても、子宮内膜ポリープがあると着床できない可能性もあります。受精ができても、受精卵が子宮内膜に着床しないと妊娠できないため、子宮内膜ポリープが不妊の原因になることもありますが、不妊検査で発見できず不妊の原因が特定できないこともあるようです。
ただし、子宮内膜がポリープで埋め尽くされていたり、ポリープのサイズが極めて大きいということでなければ、妊娠できる可能性はあります。まずは検査をしてもらい医師に相談しましょう。
原因不明の不妊患者の検査をしたときに、子宮内膜ポリープが発見されることも多々あり、摘出することで妊娠できる可能性が高まるという調査結果もあるようです。
ポリープを切除したら必ず妊娠できるというわけではありませんが、子宮内膜ポリープが原因で不妊になっているならば、ポリープを摘出することで妊娠しやすくなる可能性があるといえるでしょう。
子宮内膜ポリープ摘出術は、腹部の切開をせず、腟から子宮鏡という内視鏡を入れて行うものです。
切除は、外来で行うこともある簡単な処置で痛みもさほど強くはありません。少量の出血はあっても、何日か後には止まることが多いので、早い段階で日常生活に戻れるでしょう。ただし、ごくまれにですが、悪性の腫瘍の場合があるので、注意が必要です。
子宮内膜ポリープは40~50歳代に多く、約20~30%が多発性といわれています。手術では、出血と再発の両方を予防するために、切除後に電気焼灼(でんきしょうしゃく)、凍結療法、レーザー処理などを行うこともあります。
再発も多いとされているので、ポリープの切除をした後も定期的に健診を受けるようにしましょう。
今まで見てきたように、子宮内膜ポリープは、妊娠の可能性を低くしてしまいます。不正出血や、不妊などが気になる場合は、産婦人科を受診し、治療しましょう。医師と相談しながら、不妊治療を行うこともできます。