記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/21 記事改定日: 2020/4/2
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
造影剤を使った検査はより精度の高い検査結果のために行われますが、副作用としてアレルギー反応が起きることもあります。
この記事では造影剤によるアレルギー症状についてご紹介します。
造影検査とは主にCT検査などで行われる方法で、単純検査だけでは判断が難しい場合に検査の精度を高める目的で実施されます。このときに投与されるのが造影剤です。
造影剤は静脈注射などの方法で体内に投与され、流れた部分を鮮明に映し出すため診断能が高まります。
ただ、造影剤検査ではアレルギーが出ることがあります。
これは造影剤に含まれる成分がアレルゲンとして反応したために起こりますが、ヨードアレルギーを引き起こす人はとくに注意が必要です。
また、検査中には問題が起こらなくても、検査後に海藻などのヨードを含む食べ物を食べたことが引き金となってヨードによるアレルギー反応が出ることもありますので注意しましょう。
造影剤は比較的アレルギーが起こりやすい薬剤です。造影剤でのアレルギー症状には次のようなものが挙げられます。
また、非常に重篤なアレルギー症状として、息苦しさ、意識消失などが出ることがあります。早急に対応しないと死に至るケースもあるため、造影剤を投与した後に急激に体調が変化した場合は速やかに周りのスタッフに申し出ましょう。
造影剤のアレルギーによる症状は通常、体内に投与してから数分~1時間以内に生じます。しかし、まれに1~2日経過した後に発生することもあり、なかには検査の一週間後に副作用が現れたとの報告もあります。
造影剤を使用した検査を受けた後に何らかの体調変化を感じた場合は、時間が経過した後もできるだけ早めに病院に相談するようにしましょう。造影剤の成分は腎臓を通って体外へ尿として排出されるため腎臓の機能が悪い人は造影剤の成分が残りやすく、時間が経ってから副作用が現れることも多いです。腎臓の病気がある方、健康診断などで腎臓の異常を指摘されたことがある方は注意しましょう。
以下のような人は造影剤によるアレルギー反応が出やすい可能性があります。
ひとつでも当てはまるものがあれば、必ず検査前に医師に伝えてください。
事前検査などでアレルギー反応が出た場合はすぐに検査が中止になります。
その後検査を再開するかどうかは医師の判断によるところが大きいですが、造影剤を投与しない検査が可能か、MRI検査などの代替検査に切り替えられるかなどを検討する場合がほとんどです。
どうしても造影検査が必要かつ造影剤が必要な場合は、事前に抗ヒスタミン薬やステロイド剤の注射、内服薬の摂取などでアレルギー反応の出現を抑える対策がされることもあります。
いずれの場合も主治医とじっくり相談して次の段階へ進むことが大切です。
造影剤を使った検査はより精度の高い検査結果のために行われ、病気の早期発見や早期治療に大きな役割を果たしています。
しかし、残念ながら副作用が生じることも事実です。
アレルギー反応が出たことのある方、過去に造影剤による副作用が出たことがある方、心臓・腎臓・甲状腺に疾患がある方、糖尿病の方は、必ず事前に医師に伝えてください。