人間ドックの検査項目、年齢に応じて変わるって本当?

2017/8/21

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

人間ドックは健康診断より詳細な検査結果を得やすいですが、性別・年齢・調べたい病気・受診機関などによって検査内容が異なります。
今回は年代別に受けるべき検査項目について詳しく見ていきましょう。

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人間ドックは何歳から受けられる?

人間ドックは20歳以上から受診可能なことが多いですが、受診が奨励されているのは35歳以上の方です。
特に家族に糖尿病、高血圧、癌などにかかっている人がいる場合(家族歴があるということ)や、喫煙習慣がある場合、健康診断しか受けたことがないという場合は、少なくとも年に一度の受診をおすすめします。

また、年齢だけでなく医療機関や検査プランによって検査項目は変わるので、事前に自身が受けたい検査が実施されるかどうかを必ず確認するようにしましょう。

20~30代で受けるとよい検査項目は?

20~30代に受けるべき項目は消化器の検査です。
消化器系疾患の代表例である胃癌や大腸癌は発症率が高い病気なので、若いうちからチェックするようにしてください。

また、女性は乳がんに関わるオプションの検査項目も受診すると良いでしょう。
乳がんは若い年代で発症することも多く、早期発見が治療のうえで重要だからです。

40代で受けるとよい検査項目は?

40代で受けておきたい検査として、消化器系心臓・肝臓・腎臓などがあげられます。
個人差はありますが、30代後半から、癌、心臓疾患、脳血管疾患などのリスクが高まる傾向があるからです。

また、女性は閉経を迎えると女性ホルモンが急激に減少するため様々な不調が起こりやすくなります。
閉経を迎える前に体の状態を知っておきましょう。
奨励されている検査項目は“マンモグラフィ、乳房超音波検査、子宮頚部細胞診、骨密度測定”などです。

さらに、40代は喫煙、飲酒、食事、睡眠など、日頃の生活習慣の影響が現われやすい年代です。
深刻な病気を発症しても早期に発見・治療できる可能性が高まるので、定期的に検査を受けるましょう。
男女共に受けるべき検査項目は“大腸内視鏡検査、胸部CT検査、喀痰細胞診検査”です。

50代以降で受けるとよい検査項目は?

男女共通で受けるべき検査項目は“大腸内視鏡検査、胸部CT、喀痰細胞診、心臓ドック、脳ドック(MR検査。脳の断面や脳血管を検査することが可能)”です。

50代以降は定期検査を継続して受けることが大切になります。
特におすすめなのは、癌、脳卒中、心臓病に関する検査項目です。
また、男性は50代に前立腺癌が増える傾向が高いので、前立腺癌のPSA(腫瘍マーカー)検査を受けると良いでしょう。

おわりに:定期的な検査を習慣づけて、万全な健康管理を心がけよう

ほとんどの人間ドックは健康診断よりも詳細な検査項目があり、受診後のフォロー体制が整っています。
ただし、検査項目は受診機関やプランによって異なるので、自分の気になる病気を調べられる検査項目が含まれているかどうかを、受診前に必ず確認するようにしてください。

また、人間ドックは一度きりではなく定期的に行うことがおすすめです。
年齢によってチェックすべき項目は異なるので、定期的な検査を習慣にすることで万が一異常があっても早めに対処できます。

ぜひ自身の健康管理に人間ドックを役立ててください。

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