記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/21 記事改定日: 2018/12/14
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
喉を酷使することで声帯に膨らみが起き、声がかれたりする症状があれば声帯ポリープの可能性があります。
今回の記事では、声帯ポリープの原因と予防方法について解説します。
声帯は、咽頭にある左右に1つずつあるヒダ状のもので、この声帯を振動させることにより、人は発声することができます。この声帯に膨らみができることを声帯ポリープといいます。ほとんどのポリープは左右のどちらかに発生し、これが大きい場合や長期間放置した場合、反対側にも何かしらの症状が現れる場合があります。
声の酷使や風邪、喫煙などが原因で咽頭の粘膜が充血しているとき、無理な発声または大きな声を出すことで声帯粘膜の血管が破れると内出血し、血腫ができます。この状態でさらに無理な発声や大きな声を出し続けることで声帯にポリープができます。
血腫ができた時、大きな声を出さず、安静にしておくことで自然治癒する可能性もありますが、ポリープが肥大化した場合には、手術による切除が必要なこともあります。
声帯ポリープができやすい人の特徴は以下のとおりです。
声帯ポリープとポリープ様声帯は、似た病名ですが全く異なる病気です。
声帯ポリープとは、声帯の膜様部にできるポリープのことです。発症メカニズムは解明されていませんが、声を出す機会の多い職業の人などに生じやすいとされています。声の嗄れや喉の違和感などを自覚することがありますが、ポリープが小さい場合は自覚症状がないことも少なくありません。
一方、ポリープ様声帯とは、両側の声帯がむくむ病気です。声帯ポリープは声帯の一部のみが膨隆した状態になりますが、ポリープ様声帯は声帯全体がむくむ状態になります。
喫煙が原因で発症すると考えられており、声のかすれや喉の乾燥、違和感などが生じます。
声帯ポリープができると以下のような症状が起こります。
初期段階では以下のような症状が起こります。
ポリープが進行すると以下のような症状が起こります。
また、ポリープの肥大化により呼吸困難を起こす場合もありますが、まれなケースです。
ポリープがまだできて間もなければ、極力声を出さないようにし、抗炎症薬を使用することで治癒することが多いです。
それでも治らないようであれば、切除手術が必要な場合がありますが、発声法が悪ければ再発する可能性もあるため、正しい発声法を身につけることが重要です。声帯ポリープを治療する場合、保存療法か手術療法のどちらかを選択します。
沈黙による声帯への刺激を避けることで声帯の炎症を抑えます。ステロイドや抗炎症薬などの薬剤を使用し炎症を鎮める薬物療法を行う場合もあります。また、漢方薬の使用が効果的な場合もあります。この保存療法は、効果が現れるまで時間がかかったり、それでも効果が現れない場合もあります。
仕事で声を出すなど沈黙ができない場合は、手術療法が推奨されます。声帯ポリープは良性であることが多いですが、まれに切除部分に癌が診断される場合があります。この癌が咽頭癌のハイリスクグループに含まれる場合は切除することがすすめられます。
声帯ポリープは手術によって切除しても再発するリスクが高い病気です。声帯ポリープの発症メカニズムは明確に解明されていませんが、声帯の血管が破綻することが原因と考えられています。このため、声を出す機会が多い職業の歌手や教師などに発症者が多く、特に風邪による咽頭炎がある時に無理な発声を続けると発症するリスクが高くなるとされています。また、喫煙も発症の原因として挙げられます。
声帯ポリープの発症や再発を予防するためには、無理な発声を控え、喉を休める時間を確保することが大切です。また、咽頭炎は放置せずにしっかり治療し、喫煙者は禁煙することをおすすめします。
声帯ポリープの主な原因は、声を出すことやお酒やたばこなどによる喉への刺激です。
声や喉に異変を感じ、声帯ポリープが見つかった場合、声を出すのは極力控えて喉をいたわりましょう。
治癒したとしても発声法が悪ければ再発することもあるので、正しい発声法を身に着けることが重要です。
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