記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/22 記事改定日: 2020/3/30
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
RSウイルス感染症は、子供のうちにほとんどの人がなってしまう一般的な感染症です。軽い症状で済むことが多いですが、子供の感染には注意が必要なことをご存知でしょうか。
この記事では、RSウイルス感染症の症状や予防について解説していきます。
RSウイルスは何度も感染する可能性がある病原体です。
ですが、感染を重ねるごとに免疫が出来上がっていくため、軽い咳やのどの痛みなどの症状しか現れなくなります。
ただし、初めて感染した場合は発熱や咳、鼻汁などのいわゆる「風邪症状」から始まり、細気管支炎や肺炎に進行してゼイゼイとした喘鳴を伴う呼吸困難、無呼吸発作が生じることも少なくありません。とくに、早産児や先天性心疾患などの病気を持つ子供は重症化しやすく、急性脳症などを発症するケースもあります。
現在のところ、RSウイルスに対する抗ウイルス薬は開発されていません。
そのため、RSウイルスに感染した場合は発熱に対する解熱剤、呼吸困難に対する酸素投与など症状を緩和するための治療が必要に応じて行われます。
多くは、解熱剤や咳止めなどを使用して様子を見れば一週間前後で回復していきますが、重症化して肺炎などを併発した場合は酸素投与や点滴治療を行うため入院が必要となります。
療養中は水分を多めに摂ってゆっくり休むことが大切です。また、呼吸の状態には周囲を払い、ゼイゼイした息苦しそうな様子が見られた場合はできるだけ早く病院を受診するようにしましょう。
RSウイルスが感染力を持っている期間は、おおよそ3週間程度とみられています。だからといって、重症化もしていないのに3週間も休ませるわけにはいかないでしょうし、保護者もそんなに何日も仕事を休むわけにはいかないでしょう。
対策、及び基準としては以下のようなことが考えられます。
RSウイルス感染症は、登園に関して、インフルエンザや百日咳、水疱、風疹などのように、法律(学校保健安全法)で制限がかかっている病気ではありません。
咳や鼻水、熱が治まり、親の判断で大丈夫と思えるようになったら、登園させてもよいでしょう。
ただし、感染力の強い病気ではあるので、マスクをさせるなど、他の子に感染させないよう、十分な対策を行なってください。
登園禁止ではないとはいえ、医師の診断を一度仰ぎ、その結果を通っている各園に伝えましょう。
RSウイルス感染症は呼吸器に感染する病気です。大人であれば風邪のような軽い症状で済むことがほとんどですが、子供は重症化しやすいため注意が必要です。特効薬がないので、予防対策が重要になってきます。とくに2歳までの乳幼児は、しっかりとした予防対策をとりましょう。