記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/2/16
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
低視力とは、眼鏡やコンタクトレンズで矯正できないくらい視力が低いことをいいます。
実際、低視力の人の数は少なくありませんが、
正しく付き合えば問題なく日常生活を送ることができます。
今回の記事では、低視力になる原因や具体的な症状、対策についてご紹介します。
低視力の主な原因は加齢です。
また、下記の症状によっても引き起こされることがあります。
・白内障
視界が徐々に曇っていく疾患で、60歳以上には非常に一般的です。
・加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせいしょう)
老化によって引き起こされる網膜の疾患です。症状の進行が非常に遅いタイプと、非常に速いタイプの2種類が存在します。
・糖尿病性網膜症
糖尿病が原因で引き起こされる、網膜が損傷する症状です。
網膜は血管を通じて一定の血液の供給を必要としますが、糖尿病患者の場合は高い血糖値がこの血管に損傷を与えるため、結果的に視力への影響につながります。
基本的には、視力が低下したら眼鏡技師(下記参照)に相談することが望ましいです。低視力の兆候には、以下のようなものがあります。
・色がはっきり見えない
・段差の高さがよく判断できない
・まっすぐな線がぐにゃぐにゃに見える
・文字を読むのが困難
・運転していて道路標識がよく見えない
低視力の場合、完全に失明してしまっているケースは非常に少なく、ほとんどの場合は少しだけ視力が残っています。ただ、眼鏡など一般的なツールで視力を改善できるケースは多くありません。そんな低視力の人が日常生活を不自由なく送るために、その残った視力を最大限に活用する方法が「低視力補助器具」です。
低視力補助器具とは、以下のようなものです。
・ライト付きルーペ、手のひらサイズのルーペ
視力を補助します。
・単眼鏡や双眼鏡
遠くのものを拡大します。
これらは、眼鏡技師が提供できるものです。眼鏡技師は、その人に合わせた最適なルーペを提案してくれます。2年に一度、眼鏡技師による検査を受けるようにしてください。
また、生活面での補助器具として、熱湯が出たら警報音が鳴るランプなども存在します。
眼鏡やコンタクトで矯正できないほど視力が衰えてしまったとしても、落ち込む必要はありません。適切なツールを使えば、快適に毎日を送ることができます。「もしかして自分も?」と思った人や、すでに低視力の人は眼鏡技師に相談してみてください。