口内炎ができるのはどうして? ~ 原因と対処法を解説します ~

2017/8/22

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

口内炎ができると、食欲がなくなったり、うまく喋ることができなくなったり辛いですよね。口内炎はどうしてできるのでしょうか? 今回は口内炎の原因や対処法について解説します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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口内炎とは

口内炎とは、口の中(頬の内側、歯茎など)の粘膜が炎症を起こした状態のことをいいます。 口内炎は、唇の外側または口の隅にできるヘルペスとは違うものです。患部には、腫れや灼熱感があり、食事や歯磨きのとき触れると痛みを感じます。口内炎は誰にでもできますが、10代と20代の女性ではよく起こるといわれています。

口内炎ができる原因は?

口内炎の原因は完全に解明されていませんが、単独でできる口内炎は以下のような口の内側を傷つけることが主な原因と考えられています。
・うっかり頬の内側を噛んだ
・総入れ歯が合っていない
・堅い食べ物
・不十分な詰め物

再発する口内炎の原因

口内炎が何度も再発する場合、考えられる要因として、以下のようなものが挙げられます。
・ストレスや不安
・月経中など、ホルモンの変化
・チョコレート、スパイシーな食品、コーヒー、ピーナッツ、アーモンド、イチゴ、チーズ、トマト、小麦粉などの食物
・ラウリル硫酸ナトリウムを含む歯磨き粉
・禁煙
また、遺伝も口内炎発症に関わりがあると考えられています。再発が続く人のうち、約40%が家族歴があるとされているのです。

特定の疾患による原因

口内炎は、次のような特定の疾患で発症することがあります。
・ヘルペスウィルス、水痘、手足口病などウイルス性感染症
・ビタミンB12または鉄欠乏症
・クローン病(消化器系の内壁の炎症を引き起こす長期疾患)
・セリアック病(グルテンに対する有害反応がある一般的な消化器症状)
・反応性関節炎
・ベーチェット病

薬と治療が原因

口内炎は、場合によっては以下のような特定の薬や治療が原因で起こることがあります。
・イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
・ニコランジル(狭心症の治療に使われる薬)
・ベータブロッカー: 狭心症、高血圧、心拍の異常といった症状を治療する際に使用
・化学療法または放射線療法の副作用

口内炎ができたときの対処法

口内炎を治癒させる方法はありませんが、通常は7〜10日で自然治癒するといわれています。 痛みをやわらげるために、イブプロフェンまたはアセトアミノフェンなどの市販薬を使用して、口内炎の痛みをやわらげることが可能です。また、市販の塗り薬の使用で、食べ物を食べたり、飲んだり、歯を磨くときに口内炎が刺激されるのを防ぐこともできます。 これらの市販薬のどれが適切かについては、医師または薬剤師に相談してください。

自分で口内炎を治療する方法

口内炎を治すためには時間が必要で、すぐに治ることはありません。以下のような口内炎を刺激するものを控えることが大切です。
・とても辛い、しょっぱい、酸っぱい食べ物
・トーストやスナックのような、ざらざらしていたり、カリカリした食べ物
・熱すぎる飲み物や、フルーツジュースのような酸っぱい飲み物
・ガム

歯科医による治療

歯科医は、重症度、再発性、あるいは感染による口内炎を治療するために、より強力な治療薬を処方するかもしれません。以下のような場合は歯科医に相談することをおすすめします。
・口内炎が3週間以上続いている
・治ってもぶり返す
・痛みが増し、赤くなる(感染症の兆候の可能性がある)

おわりに:なかなか治らないときは、病院でみてもらおう

ほとんどの口内炎は無害ですが、ときおり全身性の疾患の一症状であることがあります。その場合は検査が必要です。なかなか治らないときや何度も繰り返す口内炎は、病院でみてもらうことをおすすめします。

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