歯にあたると痛い・・・! 舌にできた口内炎を早く治す方法は?

2017/8/30

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

頬の裏側などだけでなく、舌にも口内炎はできます。歯にあたると痛かったり、動かしにくいため会話ができないなど、舌にできた口内炎ならではのトラブルもありますよね。ただ、原因や予防法は、他の口内炎とほとんど変わりません。詳しく見てみましょう。

口内炎が舌にできるのはなぜ?


舌にできる口内炎も、歯ぐきや唇の裏側の粘膜にできる口内炎の原因と同様であり、以下のようなものが考えられます。

・偏った食生活などによる、栄養不足、ビタミン不足
・多忙などによる、睡眠不足やストレス状態
・胃の調子が悪い
・噛み合わせがよくないなどで舌を噛んでしまった
・義歯や詰め物の適合が悪く、舌に傷をつけてしまった
・熱いものを食べた際に、舌を火傷してしまった
・歯磨きを怠ったことによって、口内が不衛生となり、細菌が増えた。
・なんらかの原因によって唾液が減ってしまった
・体の中のどこかに別の不良が起きていて(疾患など)、そのシグナルが舌に出た

また、場合によっては舌癌の可能性もありますので、注意が必要です。

舌にできた口内炎の対処法は?

自分でできる重要なケア方法としては、口腔内を清潔に保つことが大切です。口内炎を傷つけないように気をつけながら、正しく、丁寧に歯磨きを行ないましょう。さらに、殺菌性のあるマウスウォッシュ(アルコールの入っていないもの)、液体歯磨きなどを使って、口内をきれいにすることもおすすめです。再度噛んでしまうと、症状が悪化する可能性があるので注意してください。

次に実践してほしいのは、ゆっくり体を休ませるということです。口内炎は免疫力の低下と密接に関係しています。疲労や睡眠不足を解消することによって、免疫力を上げる効果があります。あとは、バランスのとれた食事、とくに粘膜の健康を維持するビタミンB群を中心に、しっかり栄養を摂りましょう。食事で補えない場合は、サプリメントなどを利用することをおすすめします。

口内炎は、ピリピリとした痛みが続くので、日常生活にも影響を及ぼすことも多いです。「この痛みを早くなくしたい!」 といった場合は、患部に直接塗る軟膏タイプの市販薬を試してみましょう。軟膏の苦い味が気になってしまう人は、パッチタイプの貼り薬やスプレーするタイプのものもあるので、試してみてください。服用薬としては、炎症に作用するトラネキサム酸を配合した薬が市販されています。

病院での治療には、軟膏や抗ウイルス剤の処方や、殺菌や鎮痛、消炎効果のあるレーザー治療などが行なったりします。歯の噛み合わせの不具合や義歯や詰め物が合っていないことで口内炎が起こっていると診断された場合は、調整が行われるでしょう。

口内炎の再発を予防するためにできることは?


やはり、生活習慣、そして食生活の見直しを考えることが重要です。
以下のようなことを実践してみましょう。

・良質で十分な睡眠、規則正しい生活、バランスのとれた食事を心がける
・喫煙や過度のアルコール摂取を控える
・歯磨きやうがいをしっかり行ない、口腔内を清潔に保つ
・水などで口の中を潤しておく。ガムを噛むのも有効
・ビタミンBを積極的に摂るようにする。食事以外にもサプリメントなどで補給する
※ビタミンBが豊富な食べ物
卵、納豆、牛乳、レバー、焼き海苔、アーモンド、うなぎ、あさり など

おわりに:違和感がある、いつまで経っても治らないなど、気になるときは病院で診察を

バランスのとれた食事をとり、生活習慣を改善してもなかなか治らない場合は、ベーチェット病や白血病といった、別の病気が原因になっている可能性があります。また、舌癌の初期症状も口内炎と似ているので、長期化したり再発を繰り返す口内炎がある場合は、病院で診察を受けるようにしましょう。

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