ウイルス感染の要因は食品だけじゃない! 家の衛生における注意点

2017/2/9

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東大医学部卒、医学博士

三上 貴浩 先生

「家でウイルスが居そうなところ」「衛生上汚いもの」といわれれば、トイレや食品を思い浮かべる人は多いと思います。
しかし、家で病原菌が繁殖したり感染症にかかったりする要因はそれだけじゃないんです! あなたの家の生活衛生は大丈夫ですか? 実は汚い、要注意ポイントをまとめました。

手は家の中で一番細菌を拡散させるものです。「手洗いをすれば下痢や風邪になる危険性が低下し、集中的に消毒することで家庭内での病気の感染リスクを減らせる」という研究結果があります。日中は頻繁に(特にトイレに行くときや料理をする前後は)手を洗いましょう。

トイレのハンドルやドアノブ

トイレで細菌に触れる可能性の最も高い場所は、水を流すハンドルや便座、蛇口、ドアノブなど、頻繁に手で触れる場所だといわれます。

歯ブラシ

お風呂とトイレが一緒の部屋にある場合、トイレの水を流すことで便器から細菌が飛び出して2メートル近く移動し、床や洗面台、歯ブラシにつく恐れがあります。「トイレの水を流すたびに、毎回大量の微生物が少なくとも2時間はトイレの周りに浮遊している」と示した研究もあるくらいです。水を流す前には、必ず便器の蓋を閉めるようにしましょう。

台所の流し

台所の流しには、トイレや洗面所の10万倍以上の細菌がいるといわれています。

生の鶏肉

生の鶏肉の50%以上にカンピロバクター属の細菌が含まれています。
70℃になるまで鶏肉に火を入れれば、安全に食べることができます(食品用の温度計を使用してください)。

冷蔵庫での食品の冷やし方

熱い食べ物を冷蔵庫に入れると冷え方にむらができ、食中毒の原因となります。食べ物の中心の温度が下がるのには時間がかかることがあり、細菌が増殖するのに最適な環境を作り出してしまうことがあるのです。

スポンジ

使用済みのキッチンスポンジには、大腸菌やサルモネラ菌などの細菌が大量に付着している場合があります。小さな割れ目に細菌が入り込むため消毒は困難です。スポンジは定期的に交換することをおすすめします。

まな板

まな板には、平均して便座の2倍の菌がいると考えられています。衛生学上は、肉や魚、野菜でそれぞれ別のまな板を使用することが推奨されています。

カーペット

カーペットは、家の中で最もほこりを含んでいます。さらにカーペットの中には髪や皮膚の細胞、食べ物のかけらが入り込んでいます。
フローリングの家であれば、壁から壁までカーペットが敷き詰められた家と比べてほこりの量は10分の1程度だと考えられています。

寝室

寝室は、ほこりを餌とする塵ダニが繁殖するには絶好の環境です。
ほこりは週に平均10g排出され、一生分に換算するとなんと18kgにのぼります。

汚れた洗濯物

衣服やタオルには細菌が付着している可能性があります。
非常に汚れた洗濯物は、高温のお湯で洗うことで感染のリスクを減らすことができます。また、汚れた洗濯物を扱った後は手を洗ってください。

ペット

カンピロバクターは犬や猫の約半数が持っており、人間の食中毒を引き起こす可能性があります。ペットを撫でると細菌にも触れることになるので、ペットと接触した後は必ず手を洗ってください。

ハンドバッグ

「ハンドバッグの標本には1平方インチあたり10,000個の細菌がいた」という研究があります。また、調査したハンドバッグの3分の1には便由来の菌の陽性反応が出たそうです。
ハンドバッグは公共交通機関や公衆トイレ、レストランやバーの床など、非常に汚い場所と接触するため、たくさんの細菌を含んでいるのではないかと考えられています。

おわりに

「汚い=トイレ」「食中毒=食品」というイメージを持つ人も多いと思いますが、トイレの細菌が歯ブラシまで飛散したり、ペットから食中毒をもらってしまったり…などなど意外なルートで感染症にかかってしまうケースがあるんです! あなたの家の衛生面も、これを機に見直してみてはいかがでしょうか?

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