母乳を与えている間は生理が止まるって本当?
2017/8/24 記事改定日: 2019/9/4
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母乳で育児をしている間は生理が来ないことが多いと言われています。しかし、人によっては授乳中に生理が再開することもあります。この記事では、授乳と生理の関係について解説します。
授乳中に生理が止まる理由は?
授乳中に生理が来ないことが多いのは、ホルモンバランスの変化によって排卵が抑制されるからです。
授乳中は体が母乳を作ることを優先するようになり、プロラクチンやオキシトシンというホルモンが分泌されます。プロラクチンは母乳をつくるホルモンで、赤ちゃんが母乳を吸うことで分泌され、乳腺を発達させる作用があります。また、オキシトシンは脳の視床下部で生成されるホルモンで、陣痛の促進や出産後の子宮の回復、母乳の出を良くする働きがあります。
これらのホルモンは子宮に働きかけて排卵を止めるため、授乳中は生理が止まることが多いです。また、生理が再開しても、出産前に比べて周期が不規則になったり、出血量が増減したりといった変化が起こりやすくなります。
授乳中に生理が再開したとき、母乳は変化する?
授乳中に生理が再開しても、母乳が急に出なくなることはありません。母乳が出るなら赤ちゃんに飲ませても大丈夫ですので、安心して授乳してください。
ただし、生理の再開によって母乳の量や味が変わったり、乳管が詰まりやすくなって母乳が出にくくなったりすることで、赤ちゃんが母乳を飲まなくなることがあります。ただその場合、赤ちゃんが母乳を飲まなくなったのは生理が来たことだけではなく、母乳の出が悪くなっていたことも原因となる可能性があります。ただ、生理が終わって母乳の出がスムーズになると、再び母乳を飲んでくれるようになることもあるので、あまり気にしすぎないことが大切です。
なお、乳管が詰まりやすくなると乳腺炎になる可能性が高くなります。マッサージや搾乳などをこまめに行ない、乳管の詰まりを予防しましょう。
母乳を与えていないのに生理が止まったままのときは?
授乳期間が過ぎても生理が来ない原因として、以下のようなことが考えられます。
- 育児中のストレス
- 赤ちゃんの夜泣きなどによる寝不足
- ホルモンバランスの乱れ
出産後に生理が再開するまでの期間は人によってさまざまです。一般的に、授乳回数が多いほうが生理の再開が遅いと言われますが、中には授乳回数が多くても産後から2~3カ月後で再開する人もいますし、母乳をあげなくなってもしばらく生理が再開しなかったという人もいます。
このため、あまり心配しなくても大丈夫ですが、産後から1年半、あるいは断乳後3カ月以上経過しても生理が再開しない場合、プロラクチンの分泌過剰によって排卵障害を起こしている可能性もあります。念のため産婦人科で診てもらいましょう。
おわりに:体の回復が早ければ、授乳中に生理が戻ってくることも
- 授乳中は母乳の生成が優先されるため、生理がこないことがある
- 母体が順調に回復していれば、授乳中でも生理が再開する可能性がある
- 生理が再開するまでの時間は人によって異なる。産後1年以内であればあまり気にする必要はないが、産後1年半または断乳後3カ月以上経過しても再開しない場合、念のため病院で診てもらうこと