記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/24 記事改定日: 2019/7/8
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
しゃっくりで困るのは、始まりも終わりも自分ではコントロールできないことです。数分で治まることもありますが、何時間も止まらないこともあります。
しゃっくりはいったいどうすれば止められるのでしょうか?
しゃっくりがどのようにして起きるかは全て解明されたわけではありません。ただ、横隔膜の痙攣が関係していることはわかっています。
横隔膜の痙攣によって収縮した声帯を息が通るときに、「ヒック!」という音が一定間隔で繰り返されるものがしゃっくりです。ちなみに、医学的には吃逆(きつぎゃく)と言います。
横隔膜の痙攣は、横隔膜周辺の組織が刺激されることで起こります。
刺激の原因になるものは
などが挙げられます。
ほとんどのしゃっくりは自然に止まりますが、病気が原因で出ているしゃっくりの場合は止まりにくいことが多いです。
ときは、何らかの病気が原因で出ているしゃっくりかもしれません。なかなかしゃっくり止まらない場合や、何度もしゃっくりをくり返している場合は、念のため病院で診てもらいましょう。
確実にしゃっくりを止める方法はまだ確立されていませんが、民間療法として以下のような対処法はあります。
ただ、効果については個人差があるので必ず止まるとは断言できません。
また、このような対処法で止まったとしても、頻繁にしゃっくりをくり返す場合は病気が原因のしゃっくりの可能性がありますので、なるべく早めに病院で診てもらいましょう。
神経系や消化器系などの病気や薬剤の副作用、精神的な要因によって引き起こされるしゃっくりは、一度発症するとなかなか止まりにくいものもあり、このようなしゃっくりを「持続性吃逆」や「難治性吃逆」と呼びます。
なかには48時間以上に渡って症状が続くこともあり、このような場合は食欲低下や不眠などの二次的な症状を引き起こすため治療が必要になるにこともあります。
病院での治療では主に薬物療法が用いられます。抗精神病薬のクロルプロマジンや胃の運動を抑制するメトクロプラミド、抗てんかん薬や抗うつ薬などが使用されますが、これらの薬物の効果には個人差があり、効果がなく日常生活に支障を来たすような二次的な症状が見られる場合には、横隔神経の切断などの手術を行う場合もあります。
また、持続性・難治性吃逆は何らかの病気が原因で引き起こされることが多いため、吃逆を根本的に治すには、原因となる病気の治療も必要です。
しゃっくりの多くは放っておいても止まるような「問題がないしゃっくり」です。ただ、いつまでも止まらない、何度もくり返す、しゃっくりが原因で眠れない状態のときは何らかの病気が隠れている可能性があるので、早めに病院を受診しましょう