記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/24
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
しゃっくりに悩まされたことはありませんか? 通常であれば、数分から長くて数時間で止まるしゃっくりですが、日をまたいでも治まらないようなしゃっくりには、大きな病気がかくれていることも!? この記事では、しゃっくりについてまとめました。
しゃっくり(吃逆)は、自分の意思にかかわらずに一定の間隔で起こる横隔膜の痙攣が原因で現れます。横隔膜は、肺の下にあり、おなかと肺をへだてている筋肉であり、痙攣すると声帯の筋肉が収縮し、狭くなった声帯に急激に吐く息が通って、特有の「ひっく」という音をだします。数時間たてば自然に止まりますが、しゃっくりが出ている間に食事や睡眠がうまくとれなくなり、困った経験をした人も多いのではないでしょうか。
しゃっくりの原因は完全に解明されたわけではありませんが、早食いや大食い、お酒や炭酸飲料の飲みすぎ、タバコの吸いすぎ、急性の胃拡張、胃炎などが原因と考えられています。また、精神的ストレスや、薬の副作用が原因になることもあります。
しゃっくりの原因となる刺激がどこにあるかにより、以下のように分類ができます。
胃癌や食道癌などの消化器腫瘍、消化管の炎症
過度の飲食や刺激物の摂取など、腹部の手術後に起こることもある
中枢神経が刺激されて起こる(アルコール多飲、脳腫瘍、脳血管障害など)
横隔神経が刺激を受ける(肺炎による炎症の進展、胸膜炎など)
食事が原因になることが多いといわれているので、食事の内容に気をつけてください。また、民間療法として、深呼吸やうがい、大量の冷水を飲むなどが効果的といわれているので、試してみてもいいでしょう。もし精神的なことが原因と考えられる場合は、精神科で相談することをおすすめします。
ただし、がんこなしゃっくりは、咽頭や横隔膜を刺激する場所にできた胃癌、肺臓癌、肝臓癌、肺癌などが原因の場合もあります。しゃっくりがずっと止まらないという場合は、内科、神経内科、呼吸器科などで診てもらいましょう。
しゃっくりは通常しばらくしたら収まるものです。ただし稀ではありますが、薬の副作用や胃癌や食道癌などの消化管腫瘍、消化管の炎症など病気が原因で起こっていることもあります。長く続く場合は一度医療機関を受診しても良いかもしれません。