記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/24 記事改定日: 2019/6/3
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ひどいだるさや筋肉痛に長らく悩まされていませんか。もし病院で検査を受けても原因がわからなかった場合、「慢性疲労症候群」の可能性があります。詳しい症状や治療法について、以下でご紹介していきます。
慢性疲労症候群とは、原因不明の倦怠感や筋肉痛といった症状が続き、日常生活に支障が出るほど慢性的な疲労を感じる疾患です。CDC(米国疾病対策センター)により1988年に提唱されたばかりの、比較的新しい疾患でもあります。
慢性疲労症候群の症状は、下記のように身体症状から精神症状までさまざまなものがあります。
慢性疲労症候群の場合、これらの症状が半年以上続きます(人によっては何年も続くことがあります)。休息をとっても疲労感が改善しない、というのも特徴のひとつです。
慢性疲労症候群の原因は明らかになっていませんが、強いストレスや風邪による、神経・内分泌・免疫系の機能低下が発症のきっかけと考えられています。
免疫力の低下によってさまざまなウイルスが活性化した結果、その制御のために産出されたサイトカインが脳や神経系の機能障害を引き起こし、慢性疲労症候群につながるのではないかという説が報告されています。
慢性疲労症候群は何らかの労作を行った後に起きていられない・身動きができないほどの非常に強い疲労感を生じる病気です。睡眠や休息を十分にとってもなかなか回復せず、寝たきりや引きこもり状態になってしまう人も少なくありません。
患者数は日本国内で10万人と推定されていますが、認知度の低い病気であり、血液検査や画像検査などでは目立った異常が見られないため、周囲からは病気と認識されずに苦しんでいる患者も多いと考えられます。
慢性疲労症候群では次のような症状が見られますので、当てはまる項目が多い場合は一度病院で相談してみることをおススメします。
慢性疲労症候群に対する根本的な治療法は確立していないのが現状です。ただ、抑うつや不安感、睡眠障害、筋肉痛といった症状に対しては、向精神薬や漢方薬の投与、精神療法、抗酸化物質といった対症療法で、一定の改善効果が得られると考えられています。
また、普段から定期的に運動をしたり、趣味に打ち込んだり、友人とお喋りしたりして、悲しみ、怒り、欲求不満などの感情を溜め込まないようにすることも、症状悪化を防ぐ上で大切なことです。
いまのところ、慢性疲労症候群を根本的に治療する方法は確立されていませんが、普段からストレス発散に努めたり、対症療法を行ったりしていくことで、症状を緩和できる可能性があります。長期的な病気ではありますが、医師や友人の協力を得ながら、焦らず対処していきましょう。