記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/24
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
床ずれは、寝たきりの人が多く発症しやすい皮膚疾患で、別名褥瘡(じゃくそう)とも呼ばれます。床ずれは予防が重要な疾患です。今回の記事では、床ずれの原因や対処法を解説します。
床ずれは医学的には褥瘡(じょくそう)と言います。かかとやお尻など体重がかかり骨との間に脂肪が少ない場所が最も発生率が高く、ほかには尾骨、肩甲骨、膝の後部・側部、後頭部に起こります。 症状は4段階にわかれており、各段階での症状は以下のとおりです。
皮膚が赤くなったり、熱く感じたり、かゆくなることがあります。
より大きな傷になり、激しい痛みのある痕や水疱のような皮膚潰瘍になる可能性があります。また、傷の周りの皮膚は変色することがあります。
皮膚の下の組織にも傷が増え、クレーター状になり、深い傷になります。
皮膚と組織は重度の損傷を受け、大きな傷になります。この段階になると、筋肉、骨、腱や関節に影響を与える可能性があります。
一定の姿勢で長時間座ったり寝たりすることで、特定の部分に圧力がかかり、皮膚の下の組織および皮膚への血液供給が減少し、痛みにつながります。
床ずれになりやすい人は、麻痺状態、車椅子、ほとんどの時間をベッドの上で過ごす人などがリスクが高いとされています。また、健康な人であっても、病気や怪我で長時間寝ることで床ずれを起こす可能性もあります。さらに、糖尿病や動脈硬化などの慢性疾患のある人は、血行不良のために治りにくくなります。
床ずれの予防法は以下のとおりです。
数時間に1回は体制を変えるようにしましょう。また、エアーマットや床ずれ予防の布団を使用することもおすすめです。
低刺激の石鹸と適温のお湯を使用し、乾燥予防のため保湿剤を塗りましょう。特にベッドや車椅子で長時間過ごす場合、傷が最も発生しやすい圧力ポイントに注意しましょう。
喫煙者は床ずれを発症する可能性が高まるため禁煙が推奨されます。
血流を改善し、筋肉を強化し、全体の健康を改善するのに役立ちます。運動が困難な場合は医師に相談して、代わりの方法や理学療法士を紹介してもらう方法もあります。
床ずれができてしまったら、以下の方法で痛みの軽減や治りを早める対策をとりましょう。
床ずれの痛みを軽減する方法は以下のとおりです。
・床ずれを下にして寝ない
・発泡パッドや枕を使う
・良いマットレス、マットレスカバー、シートクッションなどを使う
・横になるときは、少なくとも2時間ごとに姿勢を変える
・座るときは、15分ごとに姿勢を変える
・姿勢良く座る
床ずれは、患部を清潔にし、膿をなくす必要があります。 ステージ1の場合は石鹸と水ですすぎましょう。ステージ3の場合は塩と水の溶液ですすぎましょう。
床ずれの傷口は包帯で覆い、数日間着けておくことが望ましいです。ゲル素材の親水コロイド包帯は、皮膚の再生や治療を促進するためおすすめです。
また、湿ったガーゼ包帯を傷口に着けて乾燥させる方法も有効です。 膿はガーゼに付着し、ガーゼとともに取り除かれます。この場合、ガーゼは湿った状態に保ち、少なくとも1日1回は交換する必要があります。また深刻な床ずれの場合、外科的に除去しなければならない場合もあります。膿を除去し、きれいにするには痛みが伴います。 医師は痛みを軽減するために、包帯を代える30〜60分前に鎮痛薬を服用することを推奨しています。
十分なカロリーやタンパク質、その他の栄養素は傷の治りを助けます。特に、ビタミンCと亜鉛は傷を治すのに効果的です。十分な栄養を摂取していないと、床ずれを治すことはできません。医師や栄養士に食事のアドバイスを受けましょう。
車椅子の人や、長時間ベッドで過ごす人は床ずれを起こしやすく注意が必要です。定期的に体を動かしたり、肌をチェックしたりして、床ずれができる兆候を見逃さないようにしましょう。