お酒を飲んでいるときにしゃっくりが出てしまうのはなぜ?

2017/8/24 記事改定日: 2018/12/3
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「お酒の席でしゃっくりが急に出て困った…」という経験をお持ちの方も多いと思います。この記事では、お酒を飲むとしゃっくりが出るのはなぜなのか、原因や対処法を紹介します。

お酒でしゃっくりが出てしまう原因は?

ほとんどのしゃっくり(医学的には吃逆[きつぎゃく]と言います)は、横隔膜に何らかの刺激が加わることで起こります。その中でも、お酒でしゃっくりが起こりやすくなる横隔膜の刺激として以下のようなものがあります。

温度差による刺激

冷たすぎるものや熱すぎるものなど、体温と温度差があるものを飲むと、体が急激な温度変化に驚いて筋肉が収縮します。胃や腸など、周辺の筋肉が収縮し、横隔膜が刺激されるため、しゃっくりが出やすくなります。

胃の拡張による刺激

お酒をたくさん飲むと胃腸が急激に拡張します。これによって横隔膜も刺激され、しゃっくりが出やすくなります。

笑い声や大声による刺激

お酒の席では会話が増えるだけでなく、笑ったり、大声で話したりする機会が多くなります。話し続けたり、大きな声を出したりするうちに体内に大量の空気が取り込まれ、横隔膜の動きが活発になって刺激が加わりやすくなります。

アルコールによる中枢神経への刺激

アルコールは中枢神経に作用して刺激を与えます。中枢神経は横隔膜と関係しているため、中枢神経に刺激が加わることで横隔膜に影響し、「中枢性しゃっくり」と呼ばれるしゃっくりが出ることがあります。

【出典: 厚生労働省ホームページを編集して作成 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-02-003.html

お酒によるしゃっくりを止める方法は?

ほとんどのしゃっくりは自然に止まりますが、「すぐに止めたい!」という場合は以下のような方法を試してみるとよいでしょう。

耳の奥を押す

両耳に人差し指を入れ、耳の奥を30秒~1分ほど押す方法です。ただし、耳の皮膚はデリケートなので、力加減には気をつけましょう。また、呼吸器や循環器に持病がある方はこの方法を行わないでください

息を止める

10秒ほどかけて息を吸ったら15秒間ほど息を止め、ゆっくり吐き出す方法です。血液中の二酸化炭素濃度が上がることで、脳からの「しゃっくりを起こす」という指令が伝わりにくくなります。また、呼吸を止めることで、横隔膜のリズムが正常に戻りやすくなります。

水を飲む

水を飲んでしゃっくりを止める方法は2つあります。

ひとつは、コップに入れた冷水を一気に飲む方法です。

もうひとつは、コップの反対側から水を飲む方法です。普通に水を飲むときは口元にあるコップのふちから飲みますが、しゃっくりを止めたいときは、反対側のふちまで口を近づけて飲みます。
コップの中央にあごを置くような状態になるので、そのまま顔を上げると水はこぼれてしまいますが、頭を反対側に深く倒すようにすると、水をこぼさずに飲むことができます。

いずれの方法も、ポイントとなるのは迷走神経(脳から胃へ走る神経)が刺激されることです。また、水を飲んでいる間は呼吸しにくいため、血液中の二酸化炭素濃度が上昇し、その影響でしゃっくりが止まるのではないかとも考えられています。

お酒が原因のしゃっくり、抑えることはできる?

お酒によって起きたしゃっくりは、通常であれば数時間後には止まっていることがほとんどです。しかし、発症から3日以上が経過しても抑えられない場合は、他の病気が潜んでいる可能性があるので、医師の診察を受けましょう。

おわりに:お酒によるしゃっくりは飲みすぎも原因のひとつ。適度な飲酒を心がけよう

お酒の席ではしゃっくりが発生しやすい条件がそろっています。また、お酒そのものにもしゃっくりを誘発する可能性があるので、飲みすぎには注意しましょう。

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