記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/28
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
スピルリナは青緑色の藻で非常に栄養価に富んでおり注目されています。スピルリナは、植物由来のタンパク質とビタミンB12が豊富であり、厳格なベジタリアンにとっては貴重なタンパクとビタミン源です(ベジタリアンだとビタミンB12が不足します)。スピルリナに含まれるタンパク質は55~70%ですが、研究ではビタミンが摂取後よく吸収されないため、ビタミンB12の栄養源としては、基準値以下であることがわかっています。
人を対象とした研究によれば、スピルリナは脂質や糖の代謝を改善し、同時に肝臓の脂肪を減少させ、心臓を保護することができるとされています。スピルリナは他にも神経障害に対して使用したり(ビタミンB12は末梢神経障害に対してよく使用されます)、スピルリナの効果に関して多くの研究が進行しています。
スピルリナにはいくつかの有効成分があります。主成分はフィコシアノビリンと呼ばれ、スピルリナの約1%を占めています。この化合物は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)オキシダーゼと呼ばれる酵素複合体を抑制します。 NADPHオキシダーゼが抑制することで強力な抗酸化作用と、抗炎症作用を発揮します。動物実験での結果によると、スピルリナは有望な抗酸化物質であり、代謝の問題を補う効果があるとされています。
・スピルリナに対するアレルギー反応が報告されてはいますが、実際のところアレルギー反応や、交差感受性の全体的な頻度はまだ明らかになっていません
・CYP2C6、CYP1A2、CYP2E1の活性の低下をさせます。
・CYP2B1とCYP3A1の活性を上昇させます。
つまり、これらの酵素で代謝される薬を飲んでいる方は、薬の作用に影響する可能性があります。
スピルリナ影響を調べるための研究では、使用されたスピルリナの用量は大きく異なります。一般的に、スピルリナを1日当たり1〜8g摂取すると、何らかの効果が得られる事が示されています。期待する効果によっては、以下のように一日あたりの摂取用量が異なります。
・コレステロール代謝の改善: 1〜8g
・筋肉のパフォーマンスアップ: 1日2〜7.5g
・血糖コントロールの改善: 1日当たり2gの摂取で非常に軽度だが効果が見られました
・血圧低下: 1日当たり3.5〜4.5gの摂取で効果がある可能性がある
・脂肪肝の改善: 1日当たり4.5gの摂取で効果がある可能性がある
スピルリナは重量において、約20%がC-フィコシアニン、約1%がフィコシアニリンです。ラットにおける200mg / kgのC-フィコシアニン(1g / kgスピルリナ)の用量範囲は、人間に換算すると、およそ以下のとおりです。
・68kgの人:10.9g
・90kgの人:14.5g
・113kgの人:18.2g
スピルリナを1日1回、またはより少ない用量で、1日に複数回服用すべきかどうかを決定するためには、さらなる研究が必要です。このレベル以上を摂取した場合の、明確なメリットは認められていないため、上記の最高用量を超えることは推奨されていません。