記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/28
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
アニラセタム(Aniracetam)は、ラセタム系の脂溶性分子で、ピラセタムよりも高い効果があり、創造性や包括的な思考を向上し、不安や抑うつを軽減すると言われています。ただし、ヒトを対象にした研究は十分に行われていません。
アニラセタムは、一般的なピロリドン構造に起因するラセタム系化合物です。ラセタム系にはピラセタムがありますが、アニラセタムはより効果が高いと言われています。アニラセタムは脂溶性であるため、脂肪と一緒に摂取する必要があります。
アニラセタムは、AMPA受容体として知られるいくつかの興奮性の受容体の正のモジュレーターとして作用します(つまり興奮性の刺激が加わるということです)。そしてゆっくりと長期的に神経を活性化します。ちなみにAMPA受容体には少しずつ形の違う様々なサブタイプがあり、脳の場所によってAMPA受容体の形は少しずつ異なります。ですのでAMPA受容体のモジュレーターの物質はどの受容体を活性化させるかによって少しずつ違った作用をします。
アニラセタムはいわゆる頭をよくするサプリメントの代表ですが、アニラセタムは「集合的かつ包括的な思考(collective and hollistic thinking)」と言われる、頭の中に散らばっているパズルをつなぎあわせるような能力を活性化するとされます。実際に研究ではこのような働きをする脳の領域である連合野における血流を増加させているようです。
現在アニラセタムのうつ病や他の中枢神経系の疾患における効果について研究が進んでいます。
・アニラセタムは脳に対して刺激性であることが知られていますが、カフェインの刺激とは異なります。
・アニラセタムは脂溶性ですが、絶食状態でも取り込まれると考えられています。食べ物は必要ではないようです。
・非常に苦いです。
ラットによる実験では、10mg/kgと100mg/kgの間の用量の使用で有効性がみられています。
限られたヒトの証拠によると、1,000〜1,500 mgの範囲の用量が効果的であるとされます。
400mgという低用量で有効性があると報告されており、1,000-1,500mgのアニラセタムを500-750mgの2回に分けて1日2回摂取するのが一般的です。
アニラセタムの粉末は非常に苦い味があるので、苦手な人はカプセルタイプの方が良いかもしれません。