記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/2/3
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
前回の記事では、日焼けの恐ろしさについてお伝えしてきました。
では、日焼けを予防するためにはどうすればいいのでしょうか? ポイントは2つ。
「日焼けの危険性が高いシチュエーションを知る」ことと、「日焼け止めを正しく使用する」ことです。
あなたの知識はバッチリですか? 今回の記事でチェックしてみましょう!
日焼けしやすいのは、下記のような状況です。
・日差しが強い午前11時~午後3時
・海辺
・雪、砂、コンクリートの上など太陽光が反射する場所
日焼けしやすいのは海辺だけではありません。
また、日差しが出ていない曇りの日でも日焼けするケースがあるので、日常生活でも対策を怠らないようにしましょう。
日焼け予防には、やはり日焼け止めが欠かせません。
ただ、せっかくの日焼け止めも、正しく塗れていなければ効果が半減してしまうこともあります。
そこで、正しい日焼け止めの選び方や使い方、塗るタイミングなどをまとめました。
日焼け止めを買うときは、以下を確認するようにしてください。
・紫外線A波(UVA)を防ぐ指標である、「PA」が明記されている
・紫外線B波(UVB)を防ぐ指標である、「SPF」が15以上である
曇りの日にも塗ることをおすすめします。
ほとんどの人は、十分な量の日焼け止めを塗っていません。
まず日焼け止めは、顔、首、耳なども含め日差しにさらされる箇所全てに塗る必要があります。また、塗る量が少ないと効果が半減してしまうので、下記を参考に適量を塗るようにしてください(詳細は、パッケージに書かれている使用方法を参照してください)。
・顔や腕、首周辺のみに塗る場合:100円玉2枚分くらいの量
・全身に塗る場合:500円玉3枚分くらいの量
SPF15では効果が不十分に感じる場合は、SPF30などより強いものを塗るようにしてください。
なお、日焼け止めの使用期限にも注意してください。ほとんどのものは2~3年で期限が切れます。
長時間日差しの強いところで過ごす場合は、
・出かける30分前
・出かける直前
の2回塗るようにしましょう。
日焼け止めが取れてきたと感じた場合や、時間が経った場合は塗り直してください。
水に入ったとき、タオルで体を拭いたとき、汗をかいたとき、こすってしまったときなどは塗り直すようにしましょう。
水中にいても紫外線を浴びるので、水中に入る際や汗をかく可能性がある場合には防水効果のある日焼け止めを塗りましょう。
なお、水に浸かると日焼け止めは取れてしまいます。水に入った後は、防水の日焼け止めであってもすぐ塗り直すようにしてください。
日焼け止めは日焼け対策の基本ではありますが、こればかりに頼らず、下記のように複合的な対策をすることが重要です。
・日差しが一番強い時間帯は日陰にいるようにする
・顔、首、耳を覆うつばの広い帽子をかぶる
・長袖のトップスを羽織る
・繊維が細かくて日差しを通さないズボンやロングスカートをはく
・UVカットのサングラスをかける
特に海など日差しの強いところでは目が痛くなることがあります。
なお、太陽を直接見ると永久的に目を傷めてしまう恐れがあるので絶対にやめてください。
赤ちゃんや子どもの肌は大人よりも繊細なため、日差しの強い場所で繰り返し過ごすと、皮膚がんになる可能性がより高まります。6ヵ月未満の赤ちゃんは、強い直射日光にあたらないようにしてあげてください。
また、以下のことにも注意するようにしてください。
・洋服で直射日光から守る
・特に日差しが強い時間帯は日陰で過ごさせる
・SPF15以上の日焼け止めを塗る
洋服では守れない、顔、耳、足、手の甲などにも注意して日焼け止めを塗ってあげてください。
日焼けした肌を冷たい水で流し、アフターサンローションを塗ります。
また、パラセタモールやイブプロフェンといった成分を含んだ鎮痛薬にも、日焼けによる炎症からくる痛みを抑える効果があります。
状態が悪化したり、皮膚がひどく腫れたり水ぶくれができてしまったら、医師に相談してください。赤みが引くまでは、日差しを浴びないように注意してください。
ドラッグストアで簡単に購入できる日焼け止め。つい、「節約したい・・・」という思いから、塗る量を少なくしがちな人もいるのではないでしょうか。せっかくの日焼け止めも効果が薄れてしまうともったいないので、これを機に使い方を見直してみることをおすすめします!