関節リウマチの症状と初期症状のサイン ― 進行は予防できるの?

2017/9/4 記事改定日: 2018/6/14
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

関節リウマチは、主に体の末梢関節で炎症が起こり、進行すると関節の変形が伴う特徴がある、慢性の自己免疫疾患です。ここでは、さらに詳しくリウマチの症状を解説します。

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関節リウマチの症状にはどんな特徴がある?

関節リウマチは、慢性炎症を起こす病気で、主に関節を患います。
よく見られる症状として

  • 関節の腫れ
  • 動かしにくさ

があります。朝ベッドから出るときや長時間の休憩後は、特に関節の痛みとこわばりが強いです。

関節リウマチは、慢性多発性関節炎、つまり、多数の関節に炎症を起こすという特徴を持っています。関節の中でも特に発症率が高いとされるのは、手や足にある小さな関節(指など)です。また、肩や腰、膝などの大きな関節にも、症状が現れることがあります。

そして、以下のような特徴があります。

左右対称的の症状
左右対称の関節に発症することが多いといわれています。例えば、右手の関節に症状が現れると、反対の左手の関節にも症状が現れることが多いです。
症状の経過
患者の約3分の2が、原因が思い当たらない疲労や筋肉・関節の痛みといった症状を訴え始め、そのあとにリウマチの本態である滑膜の炎症が顕在化します。
朝のこわばり
リウマチの主な症状は、関節のこわばりや痛みです。全身のこわばりが現れるケースは非常に多く、しばらく動いていなかった後はたいてい症状がひどくなります。朝方のこわばりは一時間以上続くことが多く、朝のこわばりの時間は治療で改善できるため、炎症の程度のおおよその目安となります。
動きの制限
滑膜の炎症は関節の腫れ、柔軟性、動きの制限の原因となります。特に大きな関節では、触ると熱感を感じることもあります。関節の腫れは、滑膜腔内での滑液の蓄積や滑膜や関節包が厚くなることによって起こります。また、痛みを楽にするため、炎症を起こした関節を少し曲げた状態にしている場合が多いです。

関節の痛み以外の症状

リウマチは関節の痛み以外にも以下のような症状がでることもあります。

  • 肺、などの他の臓器の炎症
  • 無気力
  • 微熱
  • 体重減少
  • 貧血

また、皮膚の下などにリウマチ結節ができる人もいます。

合併症や重大な障害

リウマチの症状は、たいてい中期~後期成人期の間に現れ、多くは、症状(発作)が現れた後に症状がない期間(回復)が訪れ、その繰り返しが一生続きます。また、慢性炎症は深刻な関節損傷へとつながることがあり、それは動きを制限し、重大な障害をもたらすこともあります。

関節リウマチの初期症状のサインはどこに気をつければいい?

関節リウマチは早期に発見し早期に治療を開始できれば、そのぶん症状の進行を防ぐことができるといわれています。初期には以下のような症状が現れることが多いので、見逃さずに異変を自覚したときは早めに病院を受診するようにしましょう。

起床時に指や手の関節が固まって、動かしにくい
起床時、ケガやしびれがないものの、手が固く閉じたまま開きにくくなる症状は関節リウマチの典型的なサインです。これを「こわばり」と呼びますが、こわばりは起床後一時間ほどで何事もなく改善するのが特徴です。また、こわばりは片方の関節だけでなく、左右対称に現れることがほとんどです。
指や手の関節が痛む
関節リウマチによって関節に炎症が生じると、痛みを伴うようになります。痛みが生じた関節は熱っぽく、軽度に腫れ、水が溜まったようになるのが特徴です。
外傷がないにも関わらず関節痛が左右対称に現れた場合は注意しましょう。

関節リウマチの症状の進行は予防できる?

関節リウマチは自己免疫疾患の一種であり、根本的に治すための治療法はありません。しかし、早期に発見して症状を進行させないようにする治療を行うことは可能です。
また、普段から特定の関節に負担がかからないような動作を意識したり、免疫力を正常に保つためにバランスの取れた食事、十分な休養、適度な運動など健康的な生活を心がけるようにしましょう。

おわりに:疑わしいサインに気づいたらすぐに病院へ

リウマチのはっきりとした原因はわかっていませんが、大きな遺伝的素因があるのではないかと考えられています。また、予防法もはっきりとしたものがないため、できるだけ健康的な生活をするよう心がけ、少しでも異変を感じたら病院で診察を受けるようにしましょう。

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