ストレスで声が出なくなってしまう、失声症ってどんな病気?

2017/9/1 記事改定日: 2019/8/26
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

失声症とは、声を出そうとしても出なくなってしまう病気です。精神的なストレスやショックによって起こることが多く、女性が発症しやすい傾向があります。
この記事で失声症の原因や対処法などをご紹介します。

声が出なくなる病気、失声症とは

失声症とは音声障害の一種で、出そうとしても声がまったく出なくなってしまう状態です。のどや声帯などの器官の病気や異常ではなく、精神的なショックや強いストレスによって生じ、朝起きたら声が出ない、かすれた声しか出せないなど、突発的に声が出なくなってしまうことが特徴です。

発症するのは圧倒的に女性が多く、過呼吸や足が痛くて歩けないなどの症状が併発することもあります。正確に診断するためには、精神科や診療内科でのカウンセリングが必要です。

声が出なくなってしまう原因

声が出なくなってしまう最も大きな原因は精神的なストレスです。ストレスがかかると声が出なくなってしまう理由として、以下のようなことが関係していると考えられています。

自律神経の乱れ

家族や友人が亡くなる、事件や事故に遭って大きなショックを受けるなど、強いストレスがかかると自律神経が乱れる可能性が高くなります

自律神経は体の様々な器官の活動をコントロールしており、声帯をはじめとするのどの筋肉運動にも関わっている神経です。そのため、自律神経が乱れると上手く発声ができなくなると考えられています。

ショックに対する防衛反応

私たちの体には、ショックなことや強いストレスから身を守ろうとする自己防衛が備わっています。それによって起こるのが、一時的に記憶が抜け落ちたり、感覚が曖昧になったりする「解離性障害」と呼ばれる症状です。失声症は強いストレスに起因するので、解離性障害のひとつではないかという考えられています。

失声症だった場合、どんな治療が行われる?

失声症は一般的に発声訓練や原因を取り除くカウンセリングなどで治療していきます。

カウンセリングの代表例は、患者の精神状態を読み解くための“箱庭療法”と呼ばれる心理療法です。規定サイズの箱の中におもちゃや人形などを自由に配置していく箱庭療法は、言葉で自分の気持ちを表現できない人も心理状態を現わしやすいため、効果的なカウンセリングだと言われています。また、箱庭を作る作業自体に癒しの効果があることもメリットのひとつです。

また、発声訓練も有効です。のどを鍛えるために、咳払いをしたり、裏声を出したりすることからはじめ、徐々にのどを動かして声を出せるようにしていきます。その後、日常会話で使うような喉の使い方を練習し、徐々に以前と同じようにしゃべれる訓練を行うというのが大まかな流れです。

声が出るようになるまでに、どのくらい時間がかかる?

失声症は時間と共に改善されることがほとんどです。個人差はありますが、1週間~数カ月で自然に治る傾向があります。突然声が出なくなり、その状態が2~3日続いていたら、のどや声帯などの器官に原因がないかどうかを確認するためにも耳鼻咽喉科で診察を受けることをおすすめします。

おわりに:もし声が出なくなったら、早めに病院で診察を受けましょう

  • 体の不調や思い当たる原因がないのに突然声が出なくなった場合、失声症の可能性がある
  • 声がまったく出ない状態が2~3日続いたら、耳鼻咽喉科や心療内科で診てもらう
  • 失声症だった場合、発生訓練やカウンセリングを行うことがある

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