血管迷走反射による失神のメカニズムとは!?どう対処すればいい?

2017/9/1 記事改定日: 2018/7/11
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

二宮 英樹 先生

記事監修医師

東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

突然、前触れもなく失神し、倒れてしまう血管迷走反射という状態があります。これはストレスなどが原因で起こるもので、倒れた場所によっては命の危険が及ぶこともあり大変危険です。この記事では、血管迷走反射についてまとめました。
この機会に誰にでも起こる可能性がある「急な失神」の対処法を覚えておきましょう。

ストレスで失神やめまいを起こす「血管迷走神経反射」とは

血管迷走神経反射は、何らかの刺激によって神経反射が起こり、急激に血圧や心拍数が下がって、脳に流れる血液の量が不足し、失神や目まいなどが起こるものです。

原因にはストレスなどの精神的な苦痛や不快感、強い痛み、排泄などによる刺激が、迷走神経求心枝を介して,脳幹にある血管運動中枢を刺激します。そして、心拍数の低下や血管拡張による血圧低下などを起こすのです。

具体的には、排尿した時の迷走神経反射で血圧が低下(排尿時失神)、迷走神経の過緊張から一過性の心停止となり、失神することもあります(迷走神経性発作)。

血管迷走神経反射が起きやすい年代

血管迷走神経性失神は、失神性立ちくらみとも呼ばれます。立ち続けたり座り続けたりして動いていない時によく起こります。
失神性立ちくらみの年代別分布(産業医科大学病院ほか3つの医療施設による調査)からは、20代で多く、一旦減少傾向となり、40~50代で再び急増していることがわかります。

血管迷走反射が起きるメカニズム

立っていると血液は重力の影響で下の方に向かいます。そのとき、人の体は、交感神経の反射によって血管を収縮させ、血圧が下がらないように動いています。

なんらかのストレスで血管を拡張させる迷走神経が過剰に反応すると、血管を拡張させリラックスさせます。交感神経が、血管を収縮させようとした時に、上記のように血管が拡張してしまうと、血液が下に戻ります。

下に降りてきた血液を上に戻すことができないと立ちくらみが起こるというわけです。

これは、精神的あるいは身体的ストレスによって起こることが多いです。過労、脱水、長時間立ったままでいる、空腹、痛み、採血、恐怖などが誘因となることもあります。

飲酒、排尿、排便、嚥下(飲み込み)、咳によって誘発されることもあります。

血管迷走反射の症状

失神の前兆には、顔面蒼白、冷汗、悪心、腹部不快感などを伴うことがあります。失神の前兆は、30秒から数分前に起こります。3分の1の人は何の前兆もないのです。意識を失っている時間は、30秒から5分程度で、けいれん状態になることもあります。

失神が起きた場合でも、安静にして仰向けになることですぐに回復します。失神後の回復は早く、通常意識障害はありません。

血管迷走反射での失神の対処法は?

血管迷走神経反射の治療と予防

血管迷走神経反射を誘発するような条件があれば、それを避けます。例えば、長時間の立位、激しい運動、高温、脱水、薬、アルコールなどです。前兆がくれば、横に寝て、そして、手を強く握り、腕や足に力を入れるようにしましょう。これで、失神の予防ができることがあります。

1日2リットルの水分と塩分を十分取ることも効果があるとされ、毎日壁にもたれて、10~30分立つ訓練方法ものありますので、5分程度から始めみてください。

これらの方法で、どうしても失神が予防できない人に対しては、薬物療法が必要になることもあります。

失神性立ちくらみが起こったときの対処法

前兆が起きた場合は、倒れて怪我するのが心配なのでしゃがみ込みましょう。
また、両腕を組んでぎゅっと左右に引っ張り合います。交感神経を緊張させ血圧を上昇させることができます。すると、頭に血が上り、意識を失うのを予防できます。立っている時に前兆が起きた場合は、両足を組んでぎゅっと力を入れるようにしましょう。

失神を繰り返す場合には、先ほどもお伝えしたように、脱水、長時間の立位、飲酒、塩分制限などの湿疹を誘発する誘因を避けましょう。通常、発作の頻度が少ない人は、生活の見直しで改善することが多いといわれます。

救急車は呼ぶべき?

失神後、すぐに意識が戻るようであれば、救急車を呼ぶ必要はありません。しかし、失神は心臓や脳などの重篤な病気が原因のこともあるため、必ず病院を受診して検査や治療を受けるようにしましょう。

また、すでに不整脈などの心臓の病気を指摘されている人は、失神後すぐに意識が戻ったとしても救急車で早急に病院を受診する必要がある場合もあります。心臓の病気がある人は事前に、どのような場合に救急車を呼ぶべきか医師に確認しておくとよいでしょう。

おわりに:気分が悪くなったり、呼吸しづらくなったりしたら、すぐに座って様子を見よう

今まで見てきたように、生活を改善すると、血管迷走神経反射は収まるといわれています。気分が悪くなったと思ったら、しゃがみこんだり、座れるところがあれば座るようにしましょう。
何回も失神が起こるようであれば、神経科や神経内科などを受診しましょう。

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