ヘスぺリジン

2017/10/12

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ヘスペリジンは、オレンジピールからみつかる成分で、身体にフラボノイドのヘスペレチンを与えます。このフラボノイドはヘスぺリジンの持つ有益な効果のほとんどを仲介します。こういった効果の中には、循環の促進、脳を保護する可能性のある効果等があります。ヘスペリジンは、ナリンゲニンと並び、柑橘系から得られる主用なフラボノイドとして知られています。

概要


ヘスペリジンは一般的にオレンジなどの柑橘類に含まれる物質で、体内でフラボノイドであるヘスペリチンに変わり、ヘスペリチンが様々な健康効果を発揮します。柑橘類には豊富なフラボノイドが含まれていて柑橘系フラボノイドと呼ばれますが、そのメインとなるものはヘスペリチンとナリゲニンです。

うまくできているもので、ヘスペリジンはそのままでは効果を発揮しませんが、腸内を運ばれる中で腸内細菌によって少しずつ分解されて有効成分のヘスペリチンに変わっていきます。そのためヘスペリジンをオレンジなどを食べることで摂取すると、その後およそ一日に渡って血中ヘスペリチン濃度が上がった状態が保たれます。

経口摂取ヘスペリジンのヒトでの研究結果を見ると、血流が促進され、また血圧に対してもわずかな影響を及ぼしたようですが、コレステロールと中性脂肪に対しては全く効果がありませんでした。以上のような心血管の領域に関するもの以外では、人体研究のデータはほとんどありません。また、糖尿病の分野でも効果は乏しいものです。(眼球は例外です。予備的証拠によればヘスペリジンは糖尿病網膜症から目を守るようです。)

とは言うものの、動物研究によればヘスペリジンの経口摂取は、心血管を保護する効果がかなり高い信頼性で確認でき、さらに脳を様々なストレッサーから守る働きをするそうです。

こういった保護は本質的には抗酸化作用によっておきていると思われますが、その仕組みはまだはっきりとわかっていないようです。

オレンジピールを食べることで、人体研究で使われた服用量のヘスペリジン・サプリメントを摂取することができます。また、ヘスペリジンは様々な薬物代謝酵素と相互作用を引き起こすことが知られているため、薬剤使用の際は慎重に扱う必要があります。

ちなみにヘスペリジンは漢方薬の生薬である陳皮の有効成分です。もしかすると昔の人はヘスペリジンの効果がわかっていたのかもしれませんね。

基礎知識

混同注意

ヘスペリチン(アグリコン)、エリオジクチオール(ビタミンPとして知られるフラボノイド)

注意事項

・ヘスペリジンは経口用量でCYP3A4(シトクロムP450 3A4 )を抑制する作用があります。
・ヘスペリジン(とオレンジジュース)はOAT2B1輸送体に影響する可能性があります。

摂取方法


ヘスペリジンを使用するほとんどの研究は、ヘスペリジン・サプリメントを500mg服用する傾向にあり、日常的に予防措置として服用する場合は、標準的な形状のヘスペリジンを使用しています。

急速的な血流改善に使用される場合(すなわち運動前)、G-ヘスペリジンの形態が選ばれるかもしれません。というのも、より速やかに吸収される上、血中濃度の最高点がより高くなるからです。全体的には、他の形状と比べて吸収が非常に良い、ということもないのですが、血中濃度のピークには早く到達するのです。

食品に関しては、マウスを用いた研究でのヘスペリジンの使用量をヒトに換算するとおよそ4mg/kgの経口服用量です。これはオレンジジュースやオレンジを通して摂取するには多すぎます。

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