2017/10/16

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

鉄は、血液が組織間で酸素を運ぶことができるようにするはたらきがあることでよく知られている必須ミネラルです。鉄が欠乏している場合を除いて、鉄分のサプリメントはメリットがひとつも証明されていません。それどころか、鉄中毒につながるおそれもあります。

概要


鉄はさまざまな食べものに含まれている必須ミネラルのひとつです。しかし、植物に入っている鉄分(特に穀物や豆類)は非ヘム鉄といって、肉に入っている鉄分であるヘム鉄と比べて吸収率が良くないことが分かっています。

私たちの体の中では、鉄はポルフィリンと結合してヘムを作ることができます。それが酸素を運搬します。タンパク質がヘムと結合したものはヘムタンパク質と呼ばれ、よく知られている赤血球を構成します。それゆえに、十分な鉄を食事の中で摂取していくことは、赤血球が酸素を体中の組織に運搬するのに必要不可欠なことなのです。さらに、鉄は多くの酵素の補因子でもあります。

鉄分不足だと、貧血になるおそれがあります。貧血の初期症状は顔色が青白くなることと、疲労感です。鉄分不足だけが、鉄分補給のサプリメントを摂取するモチベーションですから、もちろん、できるなら食事から鉄分を補給するほうが好ましいです。鉄分を十分に体内に保持している人は、鉄分補給サプリメントを飲んでも良いことがあるとは証明されていません。むしろ、過剰症になってしまいます。

基礎知識


注意事項
・食べものや飲みものと一緒に鉄分補給サプリメントを飲むと胃が不調になる可能性を下げられるかもしれません。

摂取方法


性別、年齢に合わせて決められた一日の所要量(RDA)を守って摂取しましょう。

・男性と非月経中の女性…8mg
・19歳未満の月経中の女性…15mg
・19歳以上の月経中の女性…18mg
・妊娠中の女性…27mg
・19歳未満の授乳中の女性…9mg
・19歳以上の授乳中の女性…10mg

これらの数字には食事中に入っている鉄分も含まれています。食べものから十分な量の鉄分を摂取することで、鉄分補給サプリメントを飲む必要はなくなります。栄養学上の許容上限量(UL)よりも多くの鉄分は摂らないように気をつけましょう。13歳以上の人の許容上限量は45mgです。

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