ロイシン

2017/9/20

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ロイシンは主要なBCAAであり、BCAAの中でも最も有益だとされています。ロイシンは単独で補給するだけでも効果があり、BCAAのミックスした商品よりも安いかもしれません。ただし、味は苦いです。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

概要


ロイシンは、3つの分枝鎖アミノ酸(BCAA)の1つであり筋肉をつけたいアスリートの中では話題のサプリメントです。ロイシンは、mTORとして知られているタンパク質の活性化因子であり、S6Kを介して筋肉タンパク質合成を誘導します。他の2つのBCAA(バリン、イソロイシン)もまた、mTORを活性化する作用がありますが、ロイシンよりもはるかに弱いとされています。(BCAAs5gよりも、5gのロイシンが有効です)。ロイシン代謝産物であるHMBもまた、筋肉タンパク質合成の誘導においては、ロイシンよりも弱いものの、脂肪を減らすためには、より効果的だとされています。

ロイシンを評価する研究では、ロイシンを食事と別に摂取したり、食事に加えると、ほとんどの場合筋タンパク質の合成能の上昇が見られました。

また、ロイシンは、タンパク質の摂取量が低い人や、高齢者など筋肉量を維持したい場合において、筋肉増強を促進する効果が見られています。

ロイシンが血糖値を上昇させるか下降させるかについてははっきりと解明されていません。

というのも、ロイシンは血糖値を上げるメカニズムと下げるメカニズムを併せ持っているからです。

血糖値を下げる作用として、膵臓からのインスリンの分泌を促進したり、またはインスリンの働き以外に直接血糖の細胞内への取り込みを活性化します。

一方でS6Kを刺激することでインスリンを介したグルコースの取り込みを阻害し、血糖値の上昇につながります。

培養した細胞での研究では、ロイシンはグルコースの取り込みを最大45分間活性化しますが、そのあとは取り込み効果を自ら阻害します。

生体内での研究ではロイシンはいずれにせよ血糖値に顕著な作用を及ぼさないようです。

イソロイシンは、より強力な血糖降下剤ですが、それ自体の作用の阻害がより少ないとされています。

基礎知識

混同注意

BCAAs、L-ロイシン酸(代謝産物)

注意事項

・ロイシンは粉末に苦味があります。
温度を下げるか、または酸味を加えることによって弱めることができます

摂取方法


筋肉を増強する目的では一回2000-5000mgが摂取の目安です。
タンパク質が少ない食事を取る際に併用することで筋肉量を維持することが期待できます。

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分枝鎖アミノ酸(2) ロイシン(2) BCAAs(1)