記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/6
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
リコリス(甘草)はグリチルリザ科の植物の共通名であり、保護性のあるフラボノイドを含む可能性があります。グリチルレチン酸(甘草の成分)は、テストステロンを低下させ、コルチゾールを増加させる作用があります。
リコリス(甘草)は中国医学では、様々な消化器系や健康上の問題、また一般的な活力促進剤として高い評価を受けています。甘草はまた、砂糖菓子製品としても日常的に使用されていますが、本質的には砂糖菓子ではなく機能性食品です。
リコリスに含まれる最も重要な化合物の1つは、グリチルリチンであり、これは糖結合型のグリチルレチン酸であると考えられています。この化合物は、とてもよく吸収され、また甘草に多量に含まれています。ただし、グリチルリチンは過剰に摂取するとテストステロンを低下させ、コルチゾールを増加させる可能性が示唆されています。
この作用は用量依存性であり、可逆的(リコリスの摂取をやめると回復します)とされますが多くの人は、グリチルリチンやグリチルレチン酸を避けた方がよいかもしれません。
・グラブリジン(リコリスの成分)は、多くの薬剤の代謝に使用される酵素であるCYP3A4(シトクロムP450 3A4)を強力に抑制する作用がみられています。薬剤と栄養素の相互作用に悪影響を及ぼす可能性があります。
伝統的な中国医学では、健康維持のためには、8〜15gのリコリスの煎じ薬が推奨されています。
抽出された成分でいうと、1日当たり150-300mgのリコリスの摂取量が最も一般的に使用されるようであり、グリチルリチンを含まない1日あたり1800mgまでの摂取量は、ヒトの毒性とは関連性が見られていません。
リコリスには独自の様々な生理活性物質が含まれており有望な研究対象です。
過去の研究では特に有効成分の一つのグリチルリチンの過量摂取がテストステロンを低下させることが報告されていますが、これらの研究ではサンプルサイズが少ないためさらなる研究が待たれます。