記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/26
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
メラトニンとは、脳内で分泌されるひとつのホルモンで睡眠を調整するはたらきがあります。暗闇療法および光療法に対してとても敏感に反応するようです。経口でのメラトニンの摂取は睡眠を補助する際に使用されます。中毒性はありません。
メラトニンは脳内の松果体から分泌されるホルモンで、眠気を誘い睡眠を調整するはたらきがあることが知られています。目から入る光(特にブルーライトです)の量を抑えることでメラトニンの合成をすすめることができます。サプリメントとしてのメラトニンは主に、異常な睡眠パターンを普通の睡眠パターンに戻すために使われます。
睡眠パターンの乱れはさまざまな健康問題および老化を引き起こす原因となります。メラトニンは、人が眠りに落ちるために自然に分泌されるホルモンなので、サプリメントとして補充することで、乱れたリズムを再び正常なリズムに戻すためのひとつの方法として考えられています。交代性勤務で夜勤がある人や時差ボケになっている人には、このメラトニンのサプリメントは特に役に立つと思います。
メラトニンのほかの効果としては、神経保護作用が挙げられます。メラトニンは強力な抗酸化物質だからです。メラトニンは抗がん作用もあることが報告されており、現在乳がん治療に応用するための研究が行われています。ぜい肉のない体を目指す点でも、あまり大きな効果はもたらさないものの、メラトニンは脂肪が体につきにくくする性質があります。メラトニンのサプリメントを飲むと、目の健康を増進でき、耳鳴りを減らすこともできる可能性もありますし、(より質の良い睡眠をとれるようにすることで)気分を良くすることもできるかもしれません。
なお、人によっては体内での自然な規則的なメラトニン分泌に異常がある人々がいます。例えば、喫煙者はメラトニンに対して反応性が悪い傾向があります。また、高齢者は夜間にメラトニンを分泌しない傾向があります。うつ病はメラトニンの分泌量が少ないことと関係があるようです。
メラトニンを摂取することによる副作用は今のところほとんど報告されていません(サプリメントを使用すると体は自然に分泌するメラトニンの分泌量を減少させます)。
・メラトニンは概日リズムを調整します。
・寝る時以外にメラトニンのサプリメントを飲むと、眠気を生じる可能性があります。
睡眠周期を調整するために、0.5mgから5mgの範囲内でメラトニンを摂取すると効果があるようです。効果があまりないようでしたら、3mgから5mg程度まで量を増やしましょう。なお、メラトニンの効果は摂取量依存(より多くのメラトニンを摂取すればより早くに眠りに落ちることができる、ということ)ではありません。
眠りに落ちやすくしたければ、寝る時刻のだいたい30分前くらいにメラトニンのサプリメントを飲みましょう。
成長ホルモンは、メラトニンのサプリメントを5mg摂取するときよりも0.5mg摂取するときの方がよく分泌されます。5mgでも0.5mgでもメラトニンの効果は同じなのに、です。