記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/6
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ロコモティブシンドロームになると骨・関節・筋肉・神経などから成り立つ運動器が低下し、「体が思うように動かない」という症状が現われます。
この記事で原因や予防法を見ていきましょう。
ロコモティブシンドロームとは、骨・関節・筋肉・神経などで構成される運動器に問題が生じ、立つ・歩くなどの移動運動機能が衰えた状態です。日本語では「運動器症候群」と呼ばれ、病気が進むと日常生活にも影響し、寝たきり及び要介護状態の原因となります。
ロコモティブシンドロームの疾患概念は幅広く、運動器の機能の障害に加え、介護を必要とする可能性が高い状態も含みます。以下の項目に当てはまるものがあれば、ロコモティブシンドロームである可能性があります。
ロコモティブシンドロームの発症原因として、以下の3つが考えられます。
年齢や運動不足によって特に下半身(下肢)の筋力が低下すると、立つ・歩く・かがむなどの生活に必要な動作をしにくくなったり、転びやすくなったりするため、ロコモティブシンドロームを招きやすくなります。また、骨や関節が骨粗しょう症、変形性膝関節症などの疾患によって脆くなり、動作がスムーズにできなくなることもロコモティブシンドロームの大きな引き金です。
以下に該当する方は、ロコモティブシンドロームを招く可能性が高いと言えます。
肥満の方は、骨・軟骨・椎間板などにかかる負担が大きくなるため、それらの損傷につながるリスクがあります。一方、痩せすぎるのも筋肉や骨が弱くなってしまう傾向が高くなるリスクがあります。スポーツや事故で生じるダメージも同様です。
「歳のせいだから」と放置しがちな腰痛や膝などの痛みに、深刻な病気が隠れていたということも少なくありません。気になる症状がある場合はそのままにせずに、医師の治療を受けましょう。
ロコモティブシンドロームの予防には、骨や筋肉量が最も多い20代~30代のうちから運動習慣を身に付けておくことが効果的といわれています。この時期に運動をして適度な刺激を加えることで、強くて丈夫な骨や筋肉をつくることできるからです。
反対に、若いうちに骨や筋肉が充分に鍛えられていないと、40~50代で運動機能の低下が起こりやすくなり、60代になると思うように体を動かせなくなってしまうリスクが高まります。
ロコモティブシンドロームは年齢が高くなってから発症することが多い障害ですが、その原因となる生活習慣などは若いときから改善する必要があります。
特に運動不足は筋肉量の低下につながるので、運動器の衰弱を招きやすいです。できるだけ長く自分の体を思い通りに動かすことができるように、若いうちから日常的に運動する習慣をつくりましょう。