手首のしこりの原因はガングリオン以外にもあるの?

2017/9/7 記事改定日: 2019/9/4
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

手首にしこりの多くの場合はガングリオンが原因といわれています。でも、ガングリオン以外にも手首にしこりをつくる原因があるのでしょうか。
この記事では手首のしこりの原因について解説していきます。

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手首のしこりの原因、ガングリオンって?

ガングリオンは、体の表面に発生する良性の腫瘤(しこり)のことです。
手首にできることが多いですが、足首、その他の関節、腱の周囲、膝の半月板、脊椎の椎間板の近くなど、全身にできる可能性があります。

しこりには

  • ゼリー状の液体が詰まっている
  • 大きさは米粒大から直径2~3cm程度のものが多い
  • 皮膚自体の見た目には変化がない
  • 皮膚の下にでき、硬いものもあれば柔らかいものもある

といった特徴があります。

痛みがないことのほうが多いですが、しこりが神経を圧迫したり刺激したりするようになると痛みやしびれ、麻痺などの症状がでることがあります。

比較的、若い女性に多いといわれていますが、子供を含め、あらゆる年齢、性別の人に発生します。

ガングリオンの原因

ガングリオンは、関節包や腱鞘の周囲に袋状の組織ができ、そこに滑液がゼリー状になって溜まることで発生しますが、なぜこのような現象が起こるのかについては、はっきりわかっていません。

現在のところ

  • 関節の使いすぎ
  • 小さな外傷の積み重ね
  • ストレスなど

が原因ではないかと考えられています。

【関連記事】
手首にできるしこり、ガングリオンってどんなもの?
ガングリオンは自分でつぶして大丈夫?どんな治し方があるの?

手首のしこりの原因はガングリオン以外にもある?

手首のしこりはガングリオン以外にも次のようなものが考えられます。

  • 脂肪種
  • 類表皮嚢胞
  • 軟部腫瘍
  • 骨腫瘍
  • 滑液包炎
  • 痛風結節

とくに多いのは脂肪種や軟部腫瘍などの良性腫瘍ですが、痛みなどを伴い、硬く可動性のないしこりは悪性の可能性も考えられます

また、手首の関節内の炎症が慢性化してしこりを形成することも少なくありません。気になるしこりを見つけたときは、早めに病院を受診しましょう。

関連記事:脂肪腫ができやすい部位はどこ?危ないしこりの特徴は?

病院に行ったほうがいい手首のしこりは?

早めに病院に行った方が良い手首のしこりは、上で述べたように悪性腫瘍の可能性があるものです。体表面から悪性・良性を見分けるのは難しいですが、次のような特徴があるしこりは注意が必要です。

  • しこりが硬くゴツゴツしている
  • しこりを触っても動かず、組織に癒着しているようである
  • 痛みがある
  • しこりが徐々に大きくなっている
  • 他の部位にもしこりができた
  • 発赤や熱感がある

関連記事:良性腫瘍ってどんなもの? 悪性腫瘍との違いは何?

おわりに:手首のしこりの多くはガングリオンなどの良性のもの。ただ、早めの治療が大切

手首のしこりのほとんどは、ガングリオンのような良性のものです。ただ、まれに悪性の場合もありますし、ガングリオン自体も痛みや麻痺などの症状を引き起こすこともあります。
気になるしこりがあるときは、念のため早めに病院に相談しましょう。

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