体の中で脂肪腫ができやすい部位はどこ?

2017/12/27

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

肥満の人にみられることのある腫瘍のひとつに、「脂肪腫」というものがあります。脂肪腫はその名のとおり脂肪のかたまりなのですが、具体的にどんな見た目をしているのでしょうか。また、体のどこにできやすいのでしょうか。

脂肪腫とは?

脂肪腫とは、皮膚の下に生じる軟部組織の腫瘍で最も多く見られる良性の軟部腫瘍であり、いわゆる脂肪のかたまりと言われているものです。この脂肪腫は皮下組織に見られる浅在性といわれるタイプと、筋肉にみられる深在性といわれるタイプに分類されており、通常であれば柔らかく単発性の腫瘍ですが、場合によっては多発することがあります。

そして脂肪腫の特徴としては化膿することがほとんどなく、臭いを発することもないという点が挙げられます。なお、脂肪腫は脂肪が蓄積した細胞の増加によるものではありますが、その原因については遺伝的要因やストレスの関与などが考えられているものの未だに明確にはなっていません。

脂肪腫ができやすいのはどこ?どんな人?

脂肪腫は身体のあらゆる部位に生じる可能性があるものですが、その中でも特に生じやすい部位としては首、肩、背中といった身体のほぼ中心に近い部位で見られることが多くなっており、次いで腕、臀部、大腿などの部位に見られることが多くなっています。なお、顔面や頭皮、下腿といった部位に生じることは比較的少ない傾向にあります。

脂肪腫は20歳以下で生じることは極めて少なく、40歳~50歳代で生じることが多いです。発症率については、比較的女性に多く見られ、また肥満傾向にある人に多く見られます。

どんな症状が見られるの?

脂肪腫では、皮膚に円形状の盛り上がりが見られ、柔らかいしこりのようなかたまりとして触れることができます。またその大きさは数mmと小さいものから10cm以上と大きいものまでさまざまです。なお、脂肪腫の多くは皮下組織に生じるため表面から触れることができますが、筋肉に生じた場合には触れることが難しい場合があります。

また先述のとおり、脂肪腫は化膿することはほとんどなく、臭いも発することはほとんどありません。そして、皮下組織や筋肉いずれにおいても、生じることによる痛みは基本的にはありません。しかしながら、稀に筋肉内に生じる部位によっては、神経を圧迫して痛みを伴うことがあります。

診察と治療法について

脂肪腫の検査や治療についてですが、治療を行っていく前段階として他の疾患との鑑別診断を行うことが重要となります。その検査方法としては、症状の診察をはじめ、CT検査やエコー検査、MRI検査が行われることになります。これらの検査は、腫瘍が良性であるかどうかなどの判断材料として役立てられることになります。

一方、治療については上記の検査結果に基づき、外科的な摘出術が行われることが一般的となっており、摘出術による切除後の再発は極めて少なくなっています。摘出術は麻酔下で行われ、脂肪腫切除後は止血してドレーン挿入、圧迫固定で終了します。なお摘出術によって切除された脂肪腫は適宜、良性の腫瘍であることを確認する目的で病理組織学的検査が行われることがあります。

おわりに:まれに悪性の脂肪腫も。しこりを発見したらまずは検査へ

肩や背中といった体の中心部にできやすい脂肪腫。基本的には良性の腫瘍ですが、中には悪性のものもあるので、しこりのようなものを発見したら、念のため専門の医療機関にて検査を受けることをおすすめします。

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