記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/9/7
記事監修医師
前田 裕斗 先生
「月経(生理)のときにレバーのような塊が出た・・・」という経験はありませんか?
たまにであれば問題ないですが、塊が大きすぎたり、一度の月経中に何度も出る場合は病気が隠れていることもあるので注意が必要です。
生理中に出ることのあるレバーのような塊は、子宮や腟の中で固まった月経血です。
月経血が固まるのは、ケガをしたときに血が止まるのと同じように血液が固まろうとする性質があるためです。
月経血の量が多いと排出しきれなかった月経血がたまり、大きめの塊となって出てくることが多いと言われています。
月経がはじまると不要になった子宮内膜がはがれます。
はがれた内膜や組織は月経血となって体外に排出されます。しかし、月経血のもととなる組織の量が多いと排出が遅れて血がかたまりになり、外に出てしまうのです。
この原因は子宮内膜の成長を促す女性ホルモンが多いということであり、性的に成熟した20代後半~30代の女性にとって異常なことではありません。
レバー状の塊の大きさが親指ほどならば特別心配する必要はないでしょう。
しかし、塊がこぶし大になっている場合や塊が頻繁に出る場合は月経血の量が多い症状(過多月経)や不正性器出血の原因となる病気が隠れている可能性が高いです。
なるべく早めに産婦人科や婦人科で診察を受けることをおすすめします。
月経血が多い場合に隠れていることが多い病気のひとつが子宮筋腫です。
子宮に良性の筋腫(コブ)ができ、月経過多、重い生理痛、下腹部の痛みなどの症状が現われます。
ほとんどの場合は良性なので命の危険につながることはあまりなく、治療する場合には手術や内視鏡による摘出が行われます。
子宮筋腫は成人女性の5人に1人に発症する可能性がある、それほど珍しくない病気です。
思い当たる症状がある場合は、できるだけ早く病院で診断を受けましょう。
子宮筋腫などの病気が子宮にない場合でもかたまりが頻回に出る場合があり、その場合女性ホルモンのバランスが崩れていることが多くみられます。
月経には女性ホルモンが深く関係しているため、ストレスや生活習慣の乱れによってホルモンバランスが崩れると、月経血量や月経周期に影響が出ていわゆる「生理トラブル」が生じます。
では、月経血の塊を軽減するにはどうすれば良いのでしょうか?ここでは効果的とされる予防法をご紹介します。
月経時に分泌されるホルモンの影響で感情をコントロールしにくくなるため、排卵後は特にイライラしやすくなります。できるだけストレスを溜めないよう、ストレスを発散したり、リラックスして過ごすことが大切です。
また、バランスの良い食事を摂ることや睡眠を充分に取ることも、ストレスの軽減に効果を発揮します。日頃からできるだけ規則正しい生活習慣を心がけましょう。
ストレッチをする、少し早めのペースで歩くなどの軽い運動をすることもおすすめです。
運動による刺激で骨盤内や下半身の血行が良くなると、月経血の排出がスムーズになるので、レバー状の塊ができにくくなると言われています。
今回は生理中に出てくるレバー状の塊の正体や塊ができる原因について見てきましたが、いかがでしたか?
塊の大きさが親指ほどで頻度が多くない場合は特別心配する必要はありませんが、こぶし大の塊が出ていたり出る回数が多い場合は子宮筋腫などの病気が潜んでいる可能性があります。早めに産婦人科や婦人科で検査を受けましょう。
また、適度な運動や睡眠、食事内容の見直し・改善などを行ない、できるだけストレスや体の冷えを遠ざけるようにすることが大切です。