薬疹とは ~ 薬の副作用で発疹が現れる ~

2017/9/7

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

薬を飲んだら後にかゆみや発疹が出ることが薬疹です。ただし、薬疹の原因になる薬は多く症状も多岐にわたり、薬疹はどんな人にでも起こりえます。ここでは、薬疹について、その定義や症状など、くわしく解説します。

薬疹とは


市販薬や病院の薬を服用(内服、または注射など)した際、本来期待していた効果以外の作用が体に起こることがあり、これを副作用といいます。薬疹は、薬の副作用によって、皮膚に発疹やかゆみが現れる症状を言います。

どんな薬でも起こる可能性があり、薬の服用の仕方は内服や注射した場合のみとは限りません。点鼻や点眼、さらに漢方薬や健康食品でも起こる可能性があるのです。

その中でも、比較的副作用が起こりやすいといわれているのが、ペニシリンなどの抗菌薬や解熱鎮痛薬、抗けいれん薬です。

また、薬が体内に入ってから副作用の症状が出るまでの時間にも薬による違いや個人差があります。服用してから数分で症状が現れることもあれば、数時間後になる場合、遅い場合は数日経ってから出ることもあり、原因なった薬の服用を止めた後でも数週間から数ヵ月も症状が続いてしまうことがあります。

薬剤の副作用である薬疹が起こるのは、体がその薬に対してアレルギー反応を起こしているからです。そのため、症状が現れるのはその薬を一定期間、使用した後であり、初めて服用する薬で現れることはありません。

薬疹の症状に特徴はある?


薬疹は現れる部位が決まっているわけではありません。特定の部位のみに発症するケースや、全身に発疹が起こるケースもあります。
また、薬疹を絶対に発生させない薬はないため、発疹の診断が難しくなる症例も多いようです。上記でも触れましたが、症状が現れるタイミングも薬剤服用後であったり、すぐに現れたり、服用し続けて1~2週間後に初めて現れることもあることも診断が難しくなる原因といえるでしょう。

症状の型には、じんま疹型や播種状紅斑型、紅斑丘疹型、湿疹型、さらに光線過敏症、固定薬疹型などがあり、比較的多くみられます。しかし、これも様々であり、薬疹だからこの型と決まっているわけではありません。

重症なものではスティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症の他、高熱とともに全身の皮膚や粘膜に拡大し、内臓障害を起こすもの、さらには命に関わる症状を呈すタイプも存在します。

薬疹の診断・治療法は?

薬疹の原因となっている薬を突き止めるために、まずは服用しているすべての薬を中止します。
症状が落ち着いてきたら、次に原因とみられる薬剤を少量から、もしくは薄めて投与し、軽症の薬疹を起こさせる再投与試験を行い、どの薬が薬疹を引き起こしたのかを調べます。また、原因の特定のためにパッチテストや薬剤添加リンパ球刺激試験なども行われることもあり、いずれも薬剤によって陽性率が異なり、偽陽性・偽陰性が出やすい検査もあるので、特定までに時間がかかる可能性があることは留意しておきましょう。

薬疹治療は、原因となる薬を止めることが中心です。ただし、薬を止めても発疹が回復しない場合や薬疹の症状がひどい場合には、抗ヒスタミン薬やステロイド薬を使って治療することもあります。

おわりに:再発を防ぐためにも、原因となった薬を記録しよう

病院で治療をし、原因となっている薬を特定できるに越したことはありませんが、そのためには、自身の服薬履歴がとても重要です。
お薬手帳を使って市販薬の服用を記録し、医師に薬の履歴を正確に伝えられるように準備しておきましょう。

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