基礎体温を測ろう ~ 次の生理日や健康状態がわかる! ~

2017/9/7

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

基礎体温、測っていますか?「基礎体温=妊活中の女性が計測する」と思っている方も少なくないようですが、基礎体温を測ることで、生理(医学的には月経というのが一般的です)開始日や健康状態まで推定できるのです。測定のメリットや測定方法について、以下で詳しく解説していきます。

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基礎体温とは

基礎体温とは必要最小限のエネルギーしか消費していない安静時の体温のことで、寝ている間の体温を指します。基礎体温を測ることで得られる最大のメリットは、ひと月の体のリズムがわかるということです。この基礎体温を通じて、月経周期や排卵日、女性ホルモンの状態など幅広い体の情報を知ることができます。

基礎体温の測り方は?

基礎体温の測り方は、通常の体温計での測定法とは異なります。以下のポイントを守って、正しく計測しましょう。

①婦人体温計を使う

基礎体温は、専用の婦人体温計を使って測定します。婦人体温計はインターネット通販でも簡単に購入できるもので、「予測式」と「実測式」の2つのタイプがあります。予測式はおよそ数十秒の計測で5分後の体温を予測するもので、一方の実測式は5分ほど時間をかけて正確な体温を測定するというものです。また最近は、スマートフォンの無料アプリにデータを転送するだけで検温値をグラフで確認できたり、排卵推定日や月経開始日を予測できたりするものもあります。機能はさまざまなので、ご自身に合ったタイプのものを選ぶといいでしょう。

②朝起きてすぐ、起き上がらずに測定する

基礎体温は朝目覚めたらすぐ、横になったまま検温する必要があります。このとき起き上がってはいけないので、寝る前に枕元に婦人体温計を置いておくようにしてください。

③舌の下で測る

基礎体温は、舌の下で計測します。婦人体温計を舌の裏側のつけ根に当てて舌で押さえ、口を閉じた状態で検温してください。検温中は口で息をしないように注意しましょう。

基礎体温で月経(生理)周期や体調がわかるのはなぜ?

基礎体温の測定を通じて、月経周期や体調がわかるようになる理由は、低温期と高温期、そして排卵日が推定できるからです。例えば月経が28日周期の人の場合、月経開始と同時に低温期が始まり、約12~16日間続きます。その後、低温期よりも0.3~0.5℃基礎体温が上昇したら、高温期が始まったサインです。そしてこの切り替わりの日こそが排卵日ということも推定できます(排卵後はプロゲステロンが分泌され、少し体温が上がるため)。排卵後は高温期が約14日間続き、体温が下がったら月経が再び始まります。

もしも月経から次の月経までの間、基礎体温の変動がほぼなく、低温期のような状態が続く場合は、無排卵月経や女性ホルモンの分泌量が低下している可能性があります。また、高温期は皮脂の分泌量が多く肌トラブルが起きやすいのですが、基礎体温をつけておくことで「この時期は肌ケアや食べるものに注意したほうがいい」という予測ができるようになったりします。

おわりに:自分の体のことを知るためにも、基礎体温を測る習慣をつけよう

「基礎体温を測る習慣がない」という女性も多いと思いますが、基礎体温はさまざまな体の情報を教えてくれるサインでもあります。妊活中の方もそうでない方も、早速婦人体温計をチェックしてみてはいかがでしょうか。

【出典: 厚生労働省運営「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」ホームページを編集して作成 http://w-health.jp/fetation/temperature/

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