記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/7
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ピクノジェノールは松の樹皮から抽出された物質で、成分として65~75%のプロシアニジン(Procyanidin)を含んだもので特許製剤となっています。有効成分であるプロシアニジンは、ポリフェノールの一つであり、緑茶に含まれているカテキンや、カカオに含まれているカカオポリフェノールに似た物質です。
プロシアニジンの主たる効果は血流の改善と血糖値コントロールの二つです。血流を改善することで心臓に対しては保護効果が働いて、また勃起不全を改善する可能性があります。
ピクノジェノールに対する臨床試験は多く行われてきましたが、その多くが企業から資金提供を受けており、ピクノジェノールに関する研究報告には企業以外による追加研究が欠けているようです。
ピクノジェノールは勃起不全に対する効果があることがとても有名ですが、現在までの全ての勃起不全に関する研究ではピクノジェノールとL-アルギニンを両方摂取しており、ピクノジェノール単体による効果の報告はないことには注意が必要でしょう。
ピクノジェノールは抗酸化作用と抗炎症作用を併せもちます。抗炎症作用はヒトにおいても確認されており、時間が経つにつれて徐々に効果が増加する(ビルドアップ効果)とされています。ピクノジェノールは少量ずつ摂取してもビルドアップ効果によって効果を発揮するため、他のサプリメントと組み合わせて少しずつ摂取するのが有効と思われます。単体ではそこまで強力な抗炎症作用があるわけではありません。
ブドウ種子エキス(Grape seed extract. 同じ分子ですが、抽出源が違います)
40~60mgを摂取すると、長期間にわたって効果が得られるということが指摘されていますが、ピクノジェノールの標準的な摂取量は100~200mgであると考えられています。
研究では1日2回摂取したり(一日の合計摂取量を朝食と夕食の時に2回に分けて摂取する)、朝食の時に1回で全ての量を摂取していましたが、どちらも効果的であると考えられ、どちらの方がよいかを調べるための比較研究は行われていません。通常、安全のために食事と一緒に摂取することが推奨されていますが、それは絶対に必要であるというわけではないようです。