記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/9/8 記事改定日: 2019/9/20
記事改定回数:3回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
妊娠10ヶ月目に入ると、お腹の赤ちゃんやお母さんの体に変化が出てきます。また、出産がはじまるときにはそれを知らせるサインが現われます。この記事で出産間近の兆候を見ていきましょう。
妊娠10カ月に入って出産が間近に迫ってくると、赤ちゃんもお腹の中で産まれるための準備をはじめています。身長は50cmほどに、体重は3100~3200gほどに成長し、子宮の中であごや膝を胸につけて丸くなるような体勢になることが多いです。
また、この時期の赤ちゃんには外に出たときに必要な免疫力を備えています。
胎動は、妊娠20週目頃から感じ始めることが多いといわれています。胎動は赤ちゃんが手足や頭などを動かすときに感じるものなので、赤ちゃんが無事成長しているサインともいえます。
胎動は出産の日が近づくと回数が少なく、弱くなっていくといわれていますが、完全になくなるわけではありません。人によっては臨月になって胎動が強くなるケースもあります。出産予定日直前なのに胎動がおさまらなくても、妊婦健診で医師から問題ないと診断されていれば心配する必要はありません。
出産間近になると、お母さんの体にも変化が起こります。ここでは、出産が近づいたときによく起こる5つの変化をご紹介します。
出産間近になると子宮の位置が下がって赤ちゃんが骨盤付近におりてくるため、骨盤周辺が圧迫されて脚の付け根や恥骨が痛むことがあります。この痛みは、歩いたり、半身浴・足湯をして下半身を温めたりすると軽減しやすいと言われていますが、無理は禁物です。
子宮が下がることでお腹が張りますが、圧迫されていた胃腸が緩んで食欲が出てくることが多いです。ただし、食べすぎは急激な体重増加を招くので、体重管理には気をつけてください。
前駆陣痛とは、子宮の収縮によって起こる痛みを指します。出産がはじまる合図である本陣痛とは違い、不規則に起こるのが特徴です。
妊娠すると、腟に細菌が入るのを防ぐため普段よりもおりものが増える傾向がありますが、出産が近づくとさらに量が増えることがあります。
量が増えたことで不安になる必要はありませんが、これまでのおりものと色や臭いが違う、かゆみがある、おりものに赤やピンク色が混じっている場合にはかかりつけ医や助産師に伝えましょう。特に、おりものに赤やピンク色が見られる場合、出産を知らせる「おしるし」である可能性が高いです。
下がってきた子宮が膀胱を圧迫するので、これまで以上に頻尿や尿もれが起こりやすくなります。そのため、トイレに行く回数が増えたり、やくしゃみなどのちょっとした拍子に尿もれすることが増えてくるかもしれません。大きなお腹で何度もトイレに行くのは大変ですが、尿意を我慢しないようにしましょう。
「いよいよお産がはじまる!」というときには、体がサインを出してくれます。代表的な兆候は、おしるし・陣痛・破水の3つです。それぞれについて詳しくみていきましょう。
子宮口が開いてくると卵膜が子宮内壁からはがれ落ち、その血液が混ざることでおりものが赤、ピンク色、茶褐色などになります。個人差はありますが、おしるしが来てから数時間~数日で出産となることが多いです。
陣痛は赤ちゃんを外に押し出すために起こる子宮の収縮運動で、痛む時間と痛まない時間とが交互に訪れます。最初は痛みも少なく間隔も不規則ですが、徐々に痛みが強くなり、収縮のスタートから次の収縮が訪れるまでの間が10分間隔になってきます。そうなると、いよいよ出産が近づいている証拠です。すぐに病院や助産院に症状を伝え、対応してもらいましょう。
破水とは赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れて羊水が体外に出ることです。陣痛が始まった後に破水することが多いですが、中には破水が先になることもあります。夜用の生理ナプキンなどをあてて対処し、すぐに医師や助産師に連絡してください。
羊水がすぐになくなってしまうことはなく、羊水がなくなっても赤ちゃんは子宮の中で元気に過ごすことができるため、極度に心配することはありません。落ち着いて病院に行き、出産を迎えましょう。
予定日を過ぎても陣痛がこない場合、陣痛促進剤を使用したり、医療用バルーンを使って子宮の入り口を開いて陣痛を促します。
食事療法や鍼灸マッサージなどの保存療法で自然に陣痛を誘発することができるという説もありますが、これらの施術は完全に立証されているわけではありません。医師に相談し、許可をもらったうえで取り入れるようにしましょう。