記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/19 記事改定日: 2019/9/3
記事改定回数:2回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
イワベンケイは伝統的な漢方薬であり、スカンジナビアのハーブでもあります。身体の活力や認知力を促進すると謳われています。長期にわたってストレスがかかるような状況において、疲労を軽減することが証明されているようです。イワベンケイは、予備的証拠においては、神経保護作用があり、寿命を延ばす効果があるとも言われています。
イワベンケイ(ロディオラ: Rhodiola rosea)とは、イワベンケイ属(ベンケイソウ科)のハーブです。伝統的に抗疲労薬やアダプトゲン(不安、肉体的疲労などのストレスへの抵抗能力を高める働きのある天然物質)として使われています。
疲労に関して言えば、イワベンケイによって長期にわたる軽めの疲れをかなり軽減する効果があると考えられています。運動による疲労はもちろん、過度のストレスによって生じた疲労にも効果があるようです。ただ、運動による疲れに効果があるのは趣味で運動をしている方に限られ、スポーツ選手にはあまり効果がみられなかったことがわかっています。
また、イワベンケイは認知機能を向上させる可能性があるといわれています。ただ、これは疲れが蓄積した人を対象に実施した研究だったため、疲労回復効果によって間接的に認知機能の向上がみられた可能性があります。また、疲れていない人の認知機能向上についてはまだはっきりとした結果が出ていないため、さらなる研究が待たれます。
そのほか、イワベンケイの考えられる効能として神経保護作用があることが明らかになっていますが、こちらもはっきりと効果をうたえるまでにはさらなる研究が必要です。また、こちらはネズミを使った研究結果ですが、イワベンケイを摂取することで、ストレスによる過食症を抑えることが明らかになっています。イワベンケイは脳内のセロトニンを増やし、ストレスによって生じる副腎皮質ステロイドを減らすと考えられています。
一般的に、イワベンケイにはモノアミン酸化酵素(MAO)の抑制作用があるとされていますが、経口摂取ではこの作用はあまり得られない可能性があります。
他のイワベンケイ属の植物、ロサダマスケナ、ロスマリン酸、コガネバナ
イワベンケイの摂取量の目安は、含有されているロサビン(Rosavins)とサリドロシド(Salidroside)の量によって変わります。一般的なイワベンケイ抽出物には、3%のロサビンと1%のサリドロシドが含まれています。以下に、ロサビンとサリドロシドの含有量を考慮した摂取量の目安を紹介します。
イワベンケイは、過去の研究で過量摂取によって逆に効果が弱くなる可能性が明らかになっています。そのため、前述した680mg以上は摂取しないようにしてください。