記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/9/11
記事監修医師
前田 裕斗 先生
いつもの生理(医学的には月経というのが一般的です)よりやけに早く出血が始まって、1日で終わってしまう――そんな「不正出血」の経験はありませんか?この記事では、不正出血が起きる原因や、生理との違いなどを解説していきます。
不正出血とは、月経ではないときに起きる性器からの出血のことです。不正出血自体はさほど珍しい症状ではありませんが、あまりにも出血量の多い重度の不正出血を放置しておくと、貧血を引き起こしたり、あるいは出血の原因となっている重大な病気を見逃したりしてしまうリスクがあります。そのため、早めに病院を受診することが望ましいです。
【出典: 厚生労働省運営「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」ホームページを編集して作成】
・「不正出血」 http://w-health.jp/monthly/bleed/
月経周期や日数、出血量には個人差がありますが、毎月25~38日の周期で規則正しく訪れ、月経の持続日数が3~7日の間であり、出血量が50~250g(子宮内膜・血液・分泌物を含む)であれば、通常の月経と考えられます。目安としては、夜間だけで夜用パッドを何枚も変える必要があるようだと、月経量が多いと考えてください。もしこれより周期や持続日数が極端に長すぎたり短すぎたり、出血量が多すぎたり少なすぎたり、出血が不定期に繰り返されたりする場合は、不正出血の可能性を疑ったほうがいいでしょう。
【出典: 厚生労働省運営「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」ホームページを編集して作成】
・「不正出血」 http://w-health.jp/monthly/bleed/
不正出血の原因としては、以下のものが考えられます。
・ホルモンバランスの乱れ
・子宮内膜症
・子宮頸管や子宮内膜のポリープ
・腟や外陰部の炎症
・癌
悪性の不正出血の場合、子宮頸癌、卵管癌、腟癌、外陰癌、子宮肉腫によって引き起こされている可能性があります。
・子宮外妊娠
【出典: 厚生労働省運営「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」ホームページを編集して作成】
・「不正出血」 http://w-health.jp/monthly/bleed/
・「基礎体温」 http://w-health.jp/fetation/temperature/
不正出血か月経かを見分けるポイントは、出血のタイミングと頻度です。そのため、日頃から月経周期や基礎体温を記録しておくことをおすすめします。月経開始日と終了日を記録することで、「生理にしては始まるのが早すぎる」など異変に気づくことができます。また、基礎体温を毎日測ると、低温期や高温期、排卵のタイミングを把握し、月経開始日を予測できるので、不自然な時期での出血にも気づきやすくなります。
不正出血を生理と勘違いしてしまう方も少なくないようですが、不正出血は子宮内膜症や癌などの隠れた病気のサインの可能性があります。早く異変に気づくためにも、日頃から基礎体温や月経周期をきちんと記録しておきましょう。