記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/9/11
記事監修医師
前田 裕斗 先生
生理中に下痢になると、ただでさえ辛い下腹部の痛みに下痢の症状が加わり、辛さも倍増してしまいますよね。
この記事で原因や対処法を知り、症状の軽減・解消に役立ててください。
生理中に下痢になりやすいのは、プロスタグランジンという女性ホルモンが必要以上に分泌されることが主な原因のひとつです。
プロスタグランジンが過剰になることによって、胃腸の働きにも影響が出ます。それによって、下痢、食欲の低下、吐き気などが生じることがあります。
また、生理になるとストレスを感じやすくなることも多いので自律神経が乱れてしまう傾向があり、そのような自律神経の不調によって腸の働きが悪くなることも、下痢を引き起こしてしまう原因と考えられています。
生理中の下痢はウイルス性のものとは異なるため、腸を労わることと同時に黄体ホルモンへもアプローチする必要があります。
具体的な対処法は以下の通りです。
脂肪分の多い肉類や揚げ物、スナック菓子、香辛料やカフェイン、アルコールなどの胃腸を刺激する食べ物や飲み物は避けましょう。
意外かもしれませんが、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」が多い食品は腸の動きを活発にするため、下痢のときに食べると症状が悪化する可能性があります。下痢のときにはゴボウ、サツマイモ、ダイコン、大豆、キノコ類などの食品は避けるようにしてください。
また、いつもと同じように食べようと無理はせずに、1回に食べる量を減らして食事を摂ることもおすすめです。
上の項目で述べたように、生理中に下痢が続く場合はストレスによる自律神経の乱れが関係している可能性が高いです。
そのため、生理直前や生理中は特に意識的に気分転換をする・休息をとるなどしてストレスをできるだけ減らすようにしましょう。
下痢が続いて腹痛などが辛いときは、我慢せずに市販の下痢止めを服用しましょう。
ただし、生理痛軽減のために痛み止めを飲んでいる場合は飲み合わせに注意が必要です。服用前には必ず医師や薬剤師に確認してください。
生理中の下痢を防ぐには「体を冷やさないこと」が大切です。
体が冷えると血行が悪くなり、子宮内にプロスタグランジンが溜まりやすくなってしまいます。
反対に体を温めて血行を良くするとプロスタグランジンが外に出やすくなるので、症状が軽くなることが期待できます。
体を温めるには以下の方法がおすすめです。
・腹巻やカイロなどでお腹周りを温める
・露出の多い服装は控える
・ストレッチや軽い運動で筋肉を動かす(筋肉量が少ないと体が冷えやすくなるため)
・水分補給には温かい飲み物をとる
今回は月経時に起こる下痢について見てきましたが、体を冷やさないことやストレスを軽減することは下痢以外の生理トラブルの解消にも効果的です。
生理トラブルを防ぐためにも、日頃から体を冷やさないように気をつけましょう。