胃ポリープが無症状って本当!?発見するために大切なこと

2017/9/12

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

健康診断などで、胃にポリープが見つかった人もいると思いますが、その中には癌化していないし無症状だからとそのまま数年放置している人もいるのではないでしょうか。胃ポリープは放置しても危険はないのでしょうか?この記事では、胃ポリープの症状や治療についてまとめました。

胃ポリープとは

胃は食道と小腸の間にある袋状の臓器であり、食道との境目にあたる入り口部分を噴門部、中心部分を胃体部、十二指腸につながる出口は幽門部といいます。胃の壁は、内側から粘膜、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜(しょうまく)の5層で構成されています。

胃ポリープは、このうちの粘膜の上皮に部分的にできる隆起した病変のことで、過形成性ポリープや胃底腺ポリープ、腺腫性ポリープ(胃腺腫)などに分けられます。

 

胃ポリープの原因と症状

胃ポリープができる原因ははっきりしていませんが、胃ポリープの発症者の多くにピロリ菌の感染が見られたことから、関係性が示唆されています。また、女性ホルモンの乱れやストレス性の胃炎、不健康な食生活や生活習慣なども発症の原因になっている可能性があるともいわれています。

胃ポリープの症状

胃ポリープのほとんどは自覚症状がありません。胃もたれや不快感、食欲不振などを感じることもありますが、これらは併発する慢性胃炎による症状のことが多いといわれています。

ただし、胃ポリープのなかで特に多いとされる過形成性ポリープは、出血やびらんを伴うことがあるため、貧血の症状が現れることがあります。また、胃底腺ポリープは胃酸の分泌が多い胃粘膜に多発するため、上腹部の痛みや胸やけ、しゃっくりなどの原因となることもあるようです。

ポリープの形状や特徴の違い

過形成性ポリープ

大小様々のものが1個から複数個、胃のどこにでもできます。2~3cmほどまで大きくなることもありますが、癌化することはあまりないといわれています。表面に赤みを帯びていて、細かな凹凸があります。

胃底腺ポリープ

胃体部の大弯に好発するとされ、大きさは2~3mm程度ですが、複数~多数できることが特徴です。表面が滑らかで凹凸がなく、周囲の粘膜と同じ色をしています。また、癌化することはなく、大きな問題に発展しないことが多いといわれています。

腺腫性ポリープ(胃腺腫)

高齢者の萎縮した粘膜に多くできるといわれています。ドーム状のものや平らな形状のもの、花壇のような形をしたものなど、様々な形状があることが特徴です。癌化する割合が比較的高いとされ、3~5mmほどの大きさが多いようです。

 

 

検査方法と治療方法

胃ポリープの検査は、X線(レントゲン)検査、内視鏡検査が行われます。内視鏡検査では、目視の確認だけでなく、組織を採取し生検を行い、良性か悪性かを調べます。
小さいポリープについては、治療せず経過を1年経過を見ますが、癌化が見られない場合でも、2cmの大きさのポリープや一部の腺腫は、ポリぺクトミー(内視鏡的ポリープ切除術)などで切除します。また、急に肥大がみられたポリープも切除対象です

ポリープの生体検査で癌細胞が見つかった場合は、ポリープ周辺の組織検査(生検)を行い、ポリープとともに癌化した粘膜も切除します。また、癌との識別がはっきりしない場合でも、粘膜の切除が行われる場合もあります。

胃癌と胃ポリープの関係性

かつては、ポリープは胃癌の前兆といわれていました。しかし、ポリープの細胞組織が良性であれば、癌にはならないことがわかっています。
ただし、過形成性ポリープや腺腫性ポリープは癌化する可能性があるポリープのため、ポリープが発見されたあとは、半年~1年を目安に定期健診を行い経過観察する必要があります。

おわりに:胃ポリープの早期発見ために定期健診を

今まで見てきたように、胃ポリープができても症状はほとんど出ません。気がつくと大きくなっていたり、癌化してしまうケースもあります。定期的に胃の検査を行うことはもちろんですが、胸やけや食欲不振が胃ポリープや胃癌のサインの可能性もあるので、疑わしい症状があるときは病院で検査してもらいましょう。

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